(地域密着アイデアソン「さぶみっと!ヨクスル in 札幌」が19日夜、札幌市中央区のMirai.st ミライスト カフェで開かれました。『「地域がよくなるためにこんなことをしたい!」という地元の方(3~4名)にプレゼンターとして登壇していただき、その課題に対して参加者のみなさんでアイデアを出し合う地域密着のアイデアソンイベント』(Facebookページの案内文より)で、この夜は約30人が参加しました。以下の文責は鈴木にあります)
主催者あいさつ・五十嵐知之さん
- 「さぶみっと!ヨクスル」は今春から全国6都市をキャラバン形式で巡回開催している。応援する人としての参加者は今夜の札幌で計230人になった。
- そもそもは、鎌倉の市民団体「カマコンバレー」の活動に、さぶみっと!ヨクスルのメンバーが参加したのが「さぶみっと!ヨクスル」をはじめたきっかけだった。「カマコンバレー」は、鎌倉の課題を、鎌倉を愛する人々が集まって解決することを目指していて、その時は、若者が飲んでは騒ぐ場になっていた由比ヶ浜海岸を子どもたちが安心して遊べるビーチにしようと立ち上がった。「カマコンバレー」が考えたのは、ビーチに砂で巨大な仏像を作ることだった。ありがたい仏様のお姿があれば若者の心も落ち着くだろうと考えた。さらに鎌倉じゅうの禅寺のお坊さんたちに集まってもらって仏像の入魂式を行い、周辺に存在を知らしめた。「地域を愛する人が地域のためにアイデアを出し合い、思いもよらない見事なアイデアで課題を解決する」-このような熱気あふれるイベントに接して、この考え方全国にも広めたいと「さぶみっと!ヨクスル」を今年・2016年4月から始めた。
- この場は、「何かを実現したい人」と「参加する人」の掛け算で成立する。6都市で開催するうちに、前回4月の札幌開催の次の開催地、仙台からメッセージを書いた布を次の開催地にリレーする活動が始まった。今日から2巡目に入る。ぜひ読んで、参加された方も思いを書いていってほしい。
- 前回の札幌では、空き家問題やキャラ弁の世界展開、自治活動を身近にする方法などを話し合った。
- 本日は、3人のプレゼンテーションを5分ずつ聞いた後、3つのグループで20分間で、プレゼン内容を盛り上げるアイデアを出し合う、目標は100個、その後発表までの間、パーティーを行う。今日は全て「自分ごと」にしてください!
<プレゼンテーション1>「地域のゴミを資源にしよう」
(利尻島・地域起こし協力隊・大関太一さん)
- 私が利尻島に引っ越してきたとき、かかったお金は、自前のバイクにすべての荷物を載せてきたので「3万円」だった。他の人は10倍かかるという。シマでは移動には何かとカネがかかる。そこで少しでも経費を節約する一環として9月14日に、島で初めてのフリーマーケットを開催した。瀬戸物や洗濯機、椅子とテーブルセットなどが出てにぎわった。売り子をした島の人たちも「自分の出したものが売れるとうれしいね」と喜んでくれた。
- そんな中、「大きなゴミ」が生まれた。島のふたつの中学校が統合で新校舎を建てるため廃校となったのだ。
- 校舎は鉄筋コンクリート造でまだまだ使える状態。「もったいない」と思い、フリーマーケットの成功を思い出し、廃校をリサイクルショップに衣替えすることにした。島を回ると、テレビなど不法投棄が目立つ。それらも減るだろうし、島外からの引っ越し費用が膨れる問題も解決する。品物を出す島の人の現金収入にもなる。住民のコミュニケーションも増えるだろう。
- 地域おこし協力隊員としての私の任期終了まで650日になった。平成30年3月までに実現したい。皆さんにうかがいたいのは、リサイクルショップを魅力的な場にするにはどうしたらいいか」ということだ。
<プレゼンテーション2>「人が育てる大地の恵み、人が伝える町のほこり”ものがたりは最高の調味料”」
(倶知安町・本間浩規さん=株式会社本間松藏商店)
- 私の住む倶知安町を含む後志管内でも農業後継者が減ってきた。
- 私の見るところ、生産者の課題は「情報先行の買い手市場」「収入が不安定」さらに「閉鎖的な現場」で、農業現場では将来への不安が高まっている。
- 一方で消費者も課題がある。大量の情報に囲まれ、それらの整理が難しくなっている。スーパーで農作物のそばに生産者の写真があって顔は見えても想いは分からない。つまるところ「高い安い」だけに陥っている。そんなこんなで食べることが楽しくなくなっている。
- そういう状況ではあるが、農業は地域の誇りだ。そのためには正しい情報を発信し、協力者、ファンをつくるのが大切になってきている。
- 今夜は、生産者と消費者をつなぐ方法を考えてほしい。例えばイベントをしたり、フードツーリズムなどの産地体験をすることもあるだろう。
- 楽しい体験は生産者に誇りを与える。はっきりとした成果が見えると人間は意識が変わる。営々と受け継がれてきたモノづくりの心を次代につなぎたい。
<プレゼンテーション3>「車イスバスケをもっともっとメジャーにしたい!」
(岩崎圭介さん=札幌ノースウィンド主将)
- 私は大学2年生のとき、モーグル全日本選手権で転倒して脊髄を損傷し車いす生活に入った。美唄の病院で療養中、車いすバスケットボールに出会い、迫力とスピードに圧倒された。車いすの操作も高い技術が必要で、優秀な選手は自分の体の使える部分、能力を最大限に活用する。
- ゲームは一般とほぼ同じだがダブルドリブルがないところが違うぐらいだ。障がいの程度によって1.0から4.5点まで0.5点刻みの8段階の持ち点があり、コート上5人の持ち点が14点以内でないと試合に出られない。
- 私の夢は2020年の東京パラリンピックまでに札幌から日本代表を出すことだ。あわせて観客を増やしたい。
- 北海道では現在5チームが活動している。全国には75チームがあるが、競技人口はとても少ない。健常者も車いすで参加可能になっている。女子も4人いる。
- 宣伝のため練習は公開し、来場してくれるのは大歓迎だ。
- 選手が増えないのは、知るきっかけがないことが大きい。さらに練習も大変だし、競技用車いすなどお金もかかる。ゲームのルールなど覚えることも多い。観客の側も「見に行っていいものかどうか」と迷っているようだ。
- こうした事態を打開し、魅力を広めるきっかけを増やすにはどうしたらいいのだろうか。イメージアップの方法や見せ方の工夫についてアドバイスがほしい。
- 観客増が実現したら、車いすバスケットボールは身近にスポーツになり、みんなの関心が高まることで、障がい者も健常者も誰もが住みやすいまちになるだろう。
- 私が障がいを通じて学んだのは、「障がいはカラダの問題ではなく、『自分には無理』と思うことじゃないか」ということだ。そう考えることができたとき、自分の中に「挑戦する力」がわいてきた。こうした考え方は健常者にも通じることだろう。
(ブレーンストーミング~パーティー)
<キーワード発表>
- プレゼン1:「ワラシベチェンジ」
- プレゼン2:「農家のいもレシピ公開」
- プレゼン3:「ゲリラ動画」
<追記>
閉会後も論議を続ける場としてFacebookグループが開設されました。
■資源にしよう!プロジェクト(わらしべチェンジ)
https://www.facebook.com/groups/679166435586119/
■ものがたりは最高の調味料プロジェクト(農家のいもレシピ公開)
https://www.facebook.com/groups/1193387680723408/
■車イスバスケプロジェクト(ゲリラ動画)
https://www.facebook.com/groups/785314634942293/
※鈴木隆司様に転載の許可をいただき、写真を追加して掲載しております。(転載元:2016年10月22日 鈴木隆司様のFacebook ノートより https://goo.gl/ECjnr8)
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