社長メッセージ

MESSAGE

1996年2月、私が初めてお金を頂いて行ったお仕事は、大阪のある地方映画イベントのパンフレットをウェブサイトにする仕事でした。


パンフレットはおよそ200ページ。元副社長(現エグゼクティブアドバイザー)である木村と二人で一ヶ月間徹夜徹夜で作り上げた仕事です。

代金総額は5万円。量的にもボリュームのあるお仕事で他にアルバイトもできる時間もありません。

今冷静に振り返ってみれば二人で5万円では生活はまったく成り立つはずもありません。住んでいた事務所兼用のワンルームマンションの家賃の方が代金を上回る始末です。

ですが、私にとっては、1995年インターネットという分野の可能性を信じ、この分野で起業を決断し開業していたわけで、約一年間近く一切の収入もなくさすがに不安になっていた頃の初めてのオーダーです。

そんな状況ですから、とにかく当時金額はどうあれ起業したインターネットの分野でお金を頂くことができたということは私にとっての二つの大きな意味がありました。

一つは、税金さえ納めていない私に所得が生まれ、私が無職ではなくなったこと。

もう一つは、インターネットは社会にとって必要なものでお金を払う立派な価値のあるものと証明されたこと。

たった5万円をこう感じたのも大袈裟かもしれませんが、納品後封筒に入ったお代金を頂いたとき、もう嬉しさで一杯で、そこに入っているのは最早5万円でなく、もう未来の人生を照らす光でもあって、今もその時の喜びは忘れておりません。

以来、インターネットは想像以上のスピードで、社会になくてはならないものとして定着しました。


もちろん、お蔭様できちんと生活が成り立つお仕事を頂いております。未来を照らす光は本物でした。

ありがたいことに今や私たちのお仕事の大半が誰もが知っている商品ブランドや会社のお仕事であり、また、そうした知名度に関わらず私たちの仕事から生み出されたウェブサイトが多くの人や社会のインフラになっているという事は仕事への大変な励みあるいは誇りになっています。

これからもインターネットはますます重要なものとなると信じています。


10年後、20年後、今を振り返ってみれば「そういえばなんだかんだ言ってたけど、まだまだ序の口だったよね」ときっと言っていることでしょう。

私たちの仕事から生み出されたものが、単に多くの人が使ってるというだけではもったいない。できるだけ社会がより良くなったと感じていただけるようこだわりを持って仕事に取り組んでいき、その中で生まれたアイデアの数々がこれからのインターネットの可能性を伸ばしていく。そんな仕事をこれからも長く提供していけたらなと考えています。

2013年10月 東京本社の有楽町移転に寄せて 代表取締役 甲斐 真樹


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今日は2020年9月の半ば。いつもより社内に人がいるでしょうか。新型コロナの流行を機に全社員を対象として始めたリモートワークも定着し、オフィスは毎日1割から2割程度の出社率です。
本社のある有楽町の丸の内仲通りも落ち着いた人通りで、都心が空いているのは快適と言えば快適ですが、大きな打撃を受けている方々がいらっしゃることを思うととても重苦しい気持ちになります。

大半の社員がリモート勤務を利用している弊社にとっても、デジタル業界とはいえダメージはあります。
お客様に会ってお話しできないこと、いつもの仲間と顔を合わせて仕事ができないこと、新しい仲間に手取り足取り教えられないこと。日々当たり前のように「会う」ということができなくなって大きな喪失感を感じています。

ただ、立ち止まっていても仕方がありません。失った接点を補うために始めたビデオ会議や動画配信からはたくさんの発見があります。
移動時間がなくなったことで会議はしやすくなりましたし、画面越しだからこそ会議の進め方も工夫するようになりました。どうしてもビデオ会議に向かないテーマはチームで声をかけてオフィスに来たりするなど、リモートとオフィスの使い分けも上手くなって来ました。

リモートワークに慣れてくることで働く場所に制約が少なくなり、なくせるなら、むしろどこで暮らしていても仕事に参加できるようになります。
そういうポジティブな面を日々たくさん発見できているから、より工夫することで一人一人が人生にとってもっと大切なことと向き合える暮らし方、働き方ができるようになるかもしれません。
今、そんな可能性を感じています。

始まりは1995年、京都の同志社大学の裏のワンルームマンションからでした。
僕は大学を卒業して最初の会社を立ち上げました。当時のメンバーは友人と後輩たちで、「インターネットはこれからとにかくすごいんや!」ということで巻き込んでしまいました。

オフィスを借りるお金はないので、みんな自宅で仕事をして、コミュニケーションはメールとチャットです。
考えてみたら、あの頃は全員リモートワークでした。離れたメンバーたちみんなの気持ちを繋いだのは、「インターネットの将来はきっとすごい!」ということでした。

あれから25年、奇しくも始まりの頃の働き方に戻りました。
今でも日々発見があります。
「やっぱり、インターネットはすごい!」
四半世紀たっても、そう思わずにはいられない毎日です。

2020年9月 コロナ禍の「特別な夏」の終わりに 代表取締役 甲斐 真樹


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