サイトを科学的にしっかり管理するにはパフォーマンス状況を定量的に言えるようにしておきたいところです。
そのためのいろいろなツールがありますが、今回グラフ化のMuninでWebサイトのパフォーマンスを見てみた一例をご紹介したいと思います。
Muninについて
Muninはコンピュータのいろいろな情報をグラフ化します(メトリクス収集システム)もう一つ有名なNagiosはアラート機能の付いた監視ツールで別物です。
この二つは合わせて使うといいです。コンビニエンス・ストアに例えて言うと、Muninは防犯カメラ、Nagiosは非常通報ベルの働きをします。
※Zabbixは両方の機能を併せ持ったものですが、監視・測定対象の豊富さは前者二つに譲るようです。
Muninの監視のうち、内部から値を取得するものと、外部から値を取得するものがあります。
内部からの例としてLoad averageのグラフです。サーバの働き具合がよく分かります。

日、週、月、年の単位でそれぞれグラフ化できます
今回、外部から値を取得するもので需要が高そうなWebサーバの応答速度監視を具体的に見てみたいと思います。(インストールなどは、今回省略させていただきます。Muninで検索していただくか、以前の記事http://www.submit.ne.jp/821をご覧ください)
Webサイトの速度について
運用しているサイトがもし「重くなった(あるいは速くなった)」という話が出た場合、Firebugなどで、その時点での速度を詳しく見ることはできますが……
- 本当に遅くなったのか?
- 何時ごろ遅かったのか?
- 何が原因で遅かったのか
- インターネット接続?
- Webサーバのレスポンス?
- ページ容量?
といった総合的な情報把握するのは、なかなか大変です。
しかしあらかじめMuninを仕込んでおけば一目瞭然です。
※Webサイトのレスポンスのグラフを作るのであれば、Webサーバにソフトをインストールしなくても測定できます。(Webサーバではなく、測定する元サーバのmunin-nodeプラグインにWebページにアクセスさせて、計測します)その方が、サイトを見ている人に近いレスポンス速度を計測することができると言えます。
WordPressのチューニングをMuninで観察
WordPressサイトを計測用に立ち上げ、いろいろな設定し、切り替えてレスポンスを観察してみました。(VirtualHostと/etc/hostsでtest.wordpressというドメインを設定)
①Apache
yumでインストールしたままのmod_phpの環境です
②Nginx
Nginx+php-fpmでの設定しました
③Nginx+Cacheの設定
http://sourceforge.jp/magazine/12/09/12/0517235/5を参考に設定しました。
グラフでサイトの応答速度を見る

キャッシュ化してインターネット接続(一番下の青い部分)以外は改善されました
②のnginxは速くはなりましたが、目立つほどではないですね。
③で明らかに速くなっていることが分かります。キャッシュはよく効くんですね。
今回使用したmunin-nodeプラグイン
今回は、自作プラグインでグラフを作ってみました。
https://github.com/hrix/munin-plugin-httping_/blob/master/README
自作と言っても以下の二つの既存のプラグインをマージして一つのグラフに収まるようにしただけです。このようにグラフにしてみたいことがあれば、簡単にプラグインを作れるのもMuninのよいところです。
- http_loadtime
http_loadtime(munin-node 1.4.5はデフォルトで付属)
wgetを使って時間をグラフ化するプラグイン。対象ページのソースをダウンロードするまでの時間
- httping
http://pocketstudio.jp/log3/2012/09/25/httping_munin_plugin/
httpingを使ったプラグイン。サーバ接続時間と、応答時間を分けて取得できる
まとめ
Webサーバを継続的にMuninで測定してしておくとチューニングの効果の全貌が把握(いわゆる「見える化」)できてうれしいです。使い方も難しくないので導入をおすすめします。
関連記事
- サーバ監視ツール「munin」の使い方 ~ その1 ~ | さぶみっと!JAPAN
- サーバ監視ツール「munin」の使い方 ~ その2 ~ | さぶみっと!JAPAN
- サーバ監視ツール「munin」の使い方 ~ その3 ~ | さぶみっと!JAPAN
- サーバ監視ツール「munin」の使い方 ~ その4~ | さぶみっと!JAPAN
PICK UP
-
タグ: Cloud Shell構築, GA4, GA分析自動化, Gemini CLI, Google アナリティクスMCP, LLM連携, コラム, データ対話型分析, モデルコンテキストプロトコル, 自然言語分析
2025年7月発表!自然言語でGA4を分析できる「Google アナリティクスMCPサーバー」を構築する方法 -
タグ: AIエージェント, GA360, Gemini in Looker, Google Cloud Next, Next Tokyo, Vertex AI Search, イベントレポート, コラム, データ分析高度化, データ利活用, 検索体験向上, 生成AI活用
【Next Tokyoレポート】主役は生成AI!GA360×生成AIの最新活用法を紹介 -
タグ: ASEAN展開, Direct Engine, インドネシア, オフショア開発, グローバル協業, コラム, ジャカルタ, スラバヤ, ビジネス熱気, ファンデザイン室, 出張レポート, 文化共存
【出張レポート】インドネシアで見た、熱気と未来への可能性|株式会社イー・エージェンシー公式note -
タグ: AI実証実験, AI高速処理, ECサイトパーソナライズ, Groq API, HTML自動生成, UX最適化, Web制作, コラム, リアルタイムAIパーソナライズ, 技術進化
【ウェブ制作】AIを使ってウェブサイトをリアルタイムにパーソナライズしてみたい!|株式会社イー・エージェンシー公式note -
タグ: GA4トレーニング, GA4初心者, Udemy講座, gmpプレミアムサロン, アクセス解析学習, コラム, スマホ学習, データ活用, 探索レポート, 解析スキルアップ
プロに学ぶ、夏のGA4スキルアップ。アクセス解析の基本講座が1,500円【8/31まで】 -
タグ: AIと人の協業, AI活用事例, Google Gemini, gemini, カスタム議事録, コラム, プロンプト設計, 会議効率化, 文字起こし, 業務効率化, 議事録効率化
【もう議事録は書かない】Geminiを使って、文字起こしからカスタム議事録を作成|株式会社イー・エージェンシー公式note