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株式会社フューチャーショップ 事業戦略部 部長 安原 貴之 氏 、アマゾンジャパン合同会社 Amazon Pay事業本部 事業戦略/事業開発マネージャー 鈴木 保幸氏に参加していただき、弊社からは高山晋が参加し、消費者のために、僕らが最初にECサイトでやるべきことは?というお題でトークセッションをいたしました。聞き手は、弊社大西です。
カゴ落ちサービスとして注目されているAmazon Payについて詳しい話をお聞きしました。また、導入促進をしているEコマースプラットフォーム「FutureShop2」を運営するフューチャーショップ様に導入効果をお伺いしました。
登壇者について
株式会社フューチャーショップ
事業戦略部 部長 安原 貴之 氏
Amazon Pay事業本部
事業戦略/事業開発マネージャー 鈴木 保幸 氏
株式会社イー・エージェンシー
アカウント戦略本部チーム長 高山 晋
最近のEC事業者の方から聞こえてくることは?
大西:2200社以上の店舗にご利用されているEコマースプラットフォーム「FutureShop2」ですが、ここ1年2年でよく聞く課題を教えてください。
安原氏:弊社は、自社ドメインのECサイトを構築出来るサービスを提供しています。元々、事業者さんの課題として多いのは集客です。その時々いろいろな手段がでてきています。事業者さんがいろいろな手段でやっておられています。
最近増えているのは、カゴ落ちです。カゴ落ち対策に何か良い取り組みがないのか?という話をいただくことが増えてきています。
大西:安原さんからカゴ落ちという言葉がでてきましたが、どんなものがカゴ落ちなのかを紹介しようと思います。
カートインからのカゴ落ちによる機会損失(チヤンスロス)が大きな商機を逃している
大西:通常、広告やクチコミからサイトに訪れます。ページ回遊をしカートに入れるというプロセスがあります。どんどんプロセスが進むに連れて購買意欲は、上がっていきます。通常のショッピングで考えると、カートに物に入れてレジまで並んで買わないということは、ほとんどないと思います。
大西:ECサイトでは、カートまで入れて買わないということがあります。それがカゴ落ちです。それがECサイト運営者から最近良く聞く声だと思います。安原さんに実際の話を聞いてみたいと思います。フューチャーショップとしては、どのようなことをしていますか?
カゴ落ち対策は重要なのか?
安原氏:カゴ落ち対策として弊社ECサイトを構築出来るサービスなので、色んなサービスに対応しています。例えば、カートに来てくれて購買する可能性がある人に対して個人情報を入れないといけない時に入力を補助するようなサービスがあります。会員の方なら出来るだけページ遷移を少なくするようなサービスがあります。どうしても最低限の情報を入力しないといけないです。特に、クレジットカード情報を入力しないといけませんが、それを回避するような事ができていませんでした。
大西:フューチャーショップ様からご提供していただいたスライドです。こちらの説明をしていただいてよろしいでしょうか?
安原氏:今年の夏にセミナーをやったときの資料です。カート放棄率というものをbaymard社が世界の平均ということで提供しているカゴ落ち率の数字です。以前から7割くらいの人がカゴ落ちしているというのが定説でした。実際こういう調査結果が出ているので、FutureShop2を使っているユーザ様のデータでも調べてみました。やはり同じように66.17%約7割の方が放棄していることがわかりました。1番の原因は、迷うということだと思います。
直接的な理由で言うと最近は、スマートフォンで購入するという期会が増えてきたことが要因になっています。特にスマートフォンで個人情報を入れるのが面倒です。いろいろ調べた結果入力の間違いが多いのがEメールアドレスでした。名前などの漢字は、変換した時に入力間違いに気が付くのですが、Eメールアドレスは意外と間違いに気が付きにくかったりします。
高山:EFOを入れていてもそうなってしまうのですか?
安原氏:そうですね。統計的な話になってしまうのですが、Eメールアドレスの入力で間違えてしまう人が多いです。あと、クレジットカード情報の入力でカゴ落ちしてしまうことも多いです。買い物する時に、必ず必要なEメールアドレスとクレジットカードの2つが大きな原因でした。Amazon Payを使うことでクレジットカードやEメールアドレスを入力せずに出来るようになりました。
Amazon Payの紹介
大西:改めてAmazon Payについて鈴木様からどんなサービスなのか紹介してもらおうと思います。
Amazon ペイメントで簡単で安全なオンライン決済を | Amazon Pay
鈴木氏:Amazon Payというサービスは、ECサイトのログインや買い物を簡単にすることができるサービスです。いつも、みなさんがAmazonの中で簡単で便利という感覚をみなさまのサイトにも提供するサービスです。
まず、Amazonのビジネスモデルについて紹介させてください。
Amazonのビジネスモデル
鈴木氏:みなさま御存知の通りAmazonが商品を仕入れ販売する直販があります。それから事業者様がAmazonの中で販売していただくAmazonマーケットプレイス(出品サービス)があります。この2つがメインのサービスでした。
今回紹介するAmazon Payは、みなさんのECサイトに対してAmazonに登録している情報をお客様が決済や会員登録に利用できお客様は買い物を簡単にします。
Amazon Payの効果について
某有名アパレル企業様 導入事例
“Amazon Pay導入前と導入後で、
3か月間比較をしたところ、
コンバージョン率が1.42倍に改善し、売上も向上。
新規獲得にも寄与していると感じています”
鈴木氏:フューチャーショップ様は、実はクライアント様です。我々このサービス自体は、2015年5月11日にサービスインしました。フューチャーショップ様は、はやくからこのサービスに対して対応していただいて、全世界に数社しかないプレミアパートナーとして我々とお付き合いいただいています。日本においてAmazon Payを広めていただいている大事なパートナー様です。
そのパートナー様のフューチャーショップ様の仕組みを使っていただいてAmazon Payを導入した所コンバージョン率が1.42倍も改善いたしました。後ほど安原さんの方からお話をいただきたいのですが、ひとことで言ってコンバージョン改善といっても数字のとり方は、すごく難しいと思います。複合的な要因が重なった上でコンバージョン率が改善しています。
安原氏:弊社のサービスを利用する多くの事業者がAmazon Payをご利用していただいてます。コンバージョン率ですが、カートが違うので比較するのは難しいのですが、買うか買われないかは別としてAmazonログインをしてカートの画面に行って買わないというのは、ほとんどないです。なぜかというとログインしたらクリックしただけで購入できるからです。よっぽどの理由がないと買わないということはないです。そこからのカゴ落ち率ということを見ると9割の方がカゴ落ちしないで購入しています。なので、逆に危険です。社内でお客様が導入したサイトで間違って買ってしまいそうになります。実際、スイーツの場合は特に買ってしまいます(笑)。
多くのサイトに導入していただいている中で簡単に買ってもらえるというのがすごく重要なのですが、簡単に買ってもらえることプラス新規獲得にも良い影響がでています。フューチャーショップの場合は、Amazonログインしてから画面登録してワンクリックしていただくだけで会員登録しながら購入していただけます。
安原氏:新規会員登録していただく中の41%くらいがAmazonログインで会員登録していただいています。クレジットカードを使って登録していただいている方が21%くらいです。なので倍近い方がAmazonログインで会員登録していただいております。お客様とコミュニケーションをとる手段として会員登録は、とても大切です。弊社のお客様は、売上アップに対して積極的な方が多いのですが、Amazon Payで1番喜ばれているのは、Amazonログインで会員登録が増えていることです。
ID決済というのが、日本国内でいろんな業者さんで盛り上がってきています。Amazonのログインのインパクトが大きいです。自社ECサイトでよく買い物する方でも、そんなに頻繁に買わないと思います。例えば、アパレルのサイトで頻繁に買っている人でもシーズンごとに買うくらいです。カゴ落ちの前にパスワードを忘れてしまうことがあります。そこが解消されるというのは、非常にありがたいです。初めて訪れたECサイトで個人情報を渡してもいいのか?迷ってしまうことがありますが、Amazonのボタンがあることで信頼できるということで安心していただいております。
難しいところは、本質の集客の面です。サイトに来ていただく機会を増やすということが大切になってきています。
楽天やLINEのログインなどが出てきていますがどう思っていますか?
鈴木氏:すべての決済サービスは、導入すべきだと思います。事業者様のサービスをしようと思っているので我々は提供しているものではありません。お客様が使っていただくことでお客様が便利に感じるかどうかです。かつ、安全にというのが大切だと思っています。他のログインサービスにも色々なベネフィットがあります。我々が一番大切にしているのは、安全にということです。そういう点で選んでいただきたいと思っていますが、お客様がどのサービスを使いたいのかはお客様が決めることです。
各社サービスには、思想があります。お客様の中にはポイントが欲しいという人もいれば、コミュニケーションツールが大切という人もいます。
その中で私達を選んでくれたというのであればうれしいです。
大西:フューチャーショップで対応しているID決済は?
安原氏:楽天ID決済も対応しています。Amazon Payと楽天ID決済2つご利用しているお客様が多いです。弊社のオプションの設定で両方入れても値段が変わらないからというのも理由です。先ほど鈴木さんがおっしゃったように入れておいても損はないと思います。お客様は様々な方がいます。楽天さんが大好きで楽天のポイントを集めている方も非常に多いと思います。Amazon Payのプレミアパートナーにならせていただいた最初は、一般の消費者の方がAmazonのボタンが実際押されるのか心配していました。実際導入してみるとびっくりするくらい押されました。楽天さんのことは、数字的なことはもうしあげられないのですけども常に使われています。
お客様にあった決済サービスを提供するのが大事だと考えています。
大西:EC事業者の方がこれを使いなさいということではなく、お客様が選ぶ使いたい決済サービスを用意するというのが大事なんですね。
それでも、カゴ落ちは終わらない?
大西:先ほど安原さんからの説明の中で集客をして来た人に対して、いかに買ってもらえるのか?おもてなしのサービスという話の中に、カゴ落ちというものがあったのですが、弊社高山からカゴ落ちについても話していただきます。
高山:ぼくは、カゴ落ち対策についてここ1年取り組んでいます。サイトの作りを良くしていってもカゴ落ちは、なくならいと思っています。ユーザ目線で考えると1円でも安い商品を買いたいというのが消費者です。カートに入れてみて商品検索するというのは、ネットユーザ特有なものです。
重視しているのは一回離脱してしまったお客様です。別に、その商品が嫌いになったわけではなく、興味を持っている段階のままの商品検討しているユーザをいかにフォローしていくのか?というのを研究しています。
ある化粧品サイトのカゴ落ち対策の状況
高山:カートに商品を入れて50%が購入し、50%の方がカゴ落ちしていました。月商5000万円のサイトで機会損失で5000万円の損失がありました。これに対してカゴ落ちしたユーザにメールを送りました。弊社のツール(カゴ落ち対策カートリカバリー)を使っていただくことで、メールアドレスとユーザの情報から「お買い忘れありませんか?」というメールを送るシステムです。メール以外にもリマーケティング広告で商品フィードを使ってカゴ落ちした商品を広告バナーにだす取り組みもしています。
高山:その結果、売上が上がりました。カゴ落ちしたユーザの内3%が購入していただくことになりました。化粧品の場合は、平均で3%です。アパレルの場合は、倍以上のリカバリー率だということがわかってきています。アパレルの場合、在庫がある商品なので売り切れてしまう心配があることが要因のようです。
カゴ落ち対策カートリカバリーで売上は上がるのですが、先ほど安原さんと鈴木さんの話にも出てきたのですが、新規で顧客をつくるということををしっかりやることが大切です。その後フォロー対策としてカートリカバリーのようなカゴ落ち対策をしっかりすることが大切です。カゴ落ちしているユーザは、購入まで検討しているユーザなので購入率が高いです。
(改めて)消費者のためにやるべきことって何ですか?
安原氏:13年間続けているフューチャーショップですが、実は以前から言っていることがあります。それは、お客様とどうコミュニケーションをするかが大切です。eコマースの世界では、少し前までは広告を出せば売上が上がるとか社内で頑張れば売上が上がる時代がありました。その頃のeコマースで物を買っていた人は、eコマース自体楽しんでいて、検索が楽しくて商品ページを回遊して吟味するのが楽しくて、買うのが楽しかったアーリーアダプターの人が多かったです。
アーリーアダプターじゃない一般の方が購入するようになってきて、先ほど高山さんが言っていたようにいかに安いものを買うかという考え方だとモールに勝てなくなっていきます。自社ECサイトを運営されている方は、一般の人に買ってもらう理由が必要になってきました。色んなアイディアを膨らませて検討することが必要になってきました。
1つは、コミュニケーションかなと思っています。テクノロジー進化によってコミュニケーションがすごくやりやすくなってきました。コミュニケーションといえば少し前の主流がメルマガだと思います。一方的に配信してこういう商品どうですか?というやり方でした。
カートリカバリーのようにお客様がカートに入れた商品をパーソナライズされたメッセージとして送るということは、良いと思います。どんどんコミュニケーションは、パーソナライズ化されていくようになっていく流れになっているように感じます。
安原氏:例えば、コンテンツの中でこの買物をした人だけにLINEでクーポンを出すなど限られたセグメントだけに出すなどの仕掛けを使うことで、消費者側は自分のことをわかっていただいているということでもう一度サイトに訪れてみようという人が増えてきています。弊社のお客様はアパレルさんが多いのですが、購入した商品でコーディネートを提案し再訪を促す方法があります。これもコミュニケーションの一つです。そういった事業者さんのアイディアを実現できる仕組みが安価で出来るようなサービスが増えてきました。
カートリカバリーの仕組みもAmazonの仕組みもそうなんですが自社で全部実現すると何千万円とかかるのですが、今は、月額数万円で実現できるようになってきています。事業者のアイディアを実現しやすくなってきています。
どんどんアイディアを出していくことによって、お客様を中心に何を提供していくのかをコアな部分(技術的な部分)でうまく組み合わせて表現していくかが大事になっています。
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