2007年06月19日
携帯電話に今、何が起きているのか? ~ モバイルユーザーの消費行動は、AIASR~
佐藤 文彦
株式会社イー・エージェンシー
写メールを送ると似ている芸能人をピックアップしてくれる「顔ちぇき」が話題になった。この顔ちぇきのヒットから、写メールのハードルが低いことがあらためて浮き彫りになったが、これと同様のサービスをPCでやっても、爆発的なヒットには繋がらないだろう。PCにはPCの、モバイルにはモバイルの特性があり、戦略・戦術を使い分ける必要性は言うまでもない。
・似ている有名人を教える「顔ちぇき」、累計利用者数が1カ月で1500万人突破
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0704/23/news023.html
(CNET Japan)
モバイルでの消費行動プロセス「AIASR」
モバイルとPCの違いという点では、まずユーザーの消費行動のプロセスが異なってくる。そもそも広告業界では、消費行動プロセスは「AIDMA」に沿うと言われてきた。
ユーザーの購買心理は、「注意」を惹かれ、「関心」を持ち、それから所有したい「欲求」に繋がり、「記憶」を経て「行動」に繋がるという流れを辿る。
・AIDMA:
Attention > Interest > Desire > Memory > Action
次に、PC環境下におけるネットユーザーの消費行動は、「AISAS」という言葉で表されている。「注意」を惹かれ、「関心」を持つと、「検索」を通じて情報を蓄積し「行動」に繋げる、そしてその後はその商品についての情報を「共有」する。ネットならではの「Search」と「Share」という行動が入ってくるわけだ。
・AISAS
Attention > Interest > Search > Action > Share
そしてモバイルにおける一般的な消費行動を私は、「AIASR」に沿うのではないかと感じている。「注意」を惹かれ、「関心」を持つと、次の瞬間には「行動」に移るという、ある種、衝動買いに近い消費行動が起きているのだ。
・AIASR
Attention > Interest > (Push) > Action > Share > (Repeat)
途中の(Push)は、購買に踏み切るために背中を押すような仕掛け(限定物、タイムバーゲン)があれば、さらに「Action」に結びつきやすいことを示す。またリピート率が高いのもモバイルならではの特性と言えるだろう。
逆に言えば、消費行動のシナリオを構築する際に、「AIDMA」や「AISAS」における「Desire」「Memory」「Search」の要素を入れてしまっては、ユーザーの消費行動を阻害してしまうということになる。極論を言えば、ユーザーの感覚にダイレクトに働きかけて、考える時間・比較検討する時間を与えないことが重要になってくる。
衝動買いを促すためのデコメール
モバイルにおけるプッシュ型マーケティングツールがケータイメールである。今ではモバイルECショップのみならず、リアルの店舗への誘導においても活躍している。
常に携帯しているメリットが最大限に活かされていると言ってよく、配信から1時間くらいまでの間に、コンバージョンが集中することからも、ケータイメールの成否がECモバイルの結果に直結すると言っても過言ではない。
そして、モバイルで展開しているECショップから来るケータイメールに占めるデコメール(※)の割合が今年に入ってから増えてきた(※:携帯電話用のHTML形式メール。なおデコメールはNTTドコモのサービス名)
あるモバイルECショップでは、従来の「テキスト+絵文字」のモバイルメールをデコメールに変えたところ、コンバージョンが2.5倍~3倍に増えたということである。
デコメールの持つ多彩な表現力が、ユーザーの感覚に見事に働きかけたからと言えるだろう。
もちろん従来の「テキスト+絵文字」のモバイルメールが全然ダメかというとそういうわけではなく、10代~20代前半にとってはまだまだ親近感を与えるツールと言えるが、30代~40代には子供っぽい印象を与えてしまい、コンバージョンに結びつきにくい。やはりターゲットユーザーを見極めた上で、最適な手段を探っていく必要がある。
また、今年の夏以降、デコメール対応機種が7割を超えると見込まれている。携帯機種の平均的な交換スパンから見ても、今年中にはユーザーの半数以上が、デコメールを受け取れる環境に移行していくだろう。そういった意味では、今はデコメールを試行錯誤する絶好の時期と言える。大半のユーザーがデコメールを読めるような時期が来たときに、今現在の取り組みが結果となって目を出すはずだ。先ほどの2.5倍~3倍の結果を出したECショップにしても、テキスト+絵文字のケータイメールを送っていたときから試行錯誤を繰り返したのである。そのノウハウがあるからこそ、成果となって帰ってきたのである。
最低限でも、メールアドレスを登録するときに、「htmlメールを送ってもいいですか?」というチェック項目は設けておくべきだ。
なお、弊社イー・エージェンシーでは、「ハデMail」というサービスを始めたが、そのリリースの背景には、プッシュ型マーケティングツールとしてケータイメールをもっと活用していただきたいという思いがあるのは前回述べた通りである。
ハデmail
https://www.e-agency.co.jp/services/mobile_mail.html(イー・エージェンシー)
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