10月17~18日と東京国際フォーラムで開催された「ad:tech東京2017」において、弊社e-Agencyの出展ブースではデータ利活用に関するミニセミナーとトークセッションを行いました。その中から今回はトークセッション「データ利活用でいちばん大事なことは? 全数データから見えてくる生活者の行動とやるべき施策」をレポートします。
ゲストスピーカーに株式会社博報堂DYデジタルでデータアナリストとして活躍されている岡田麻耶氏(以下、岡田氏)をお招きして、弊社e-Agencyからはデータエンジニアの川島雅幸(以下、川島)がお話をさせていただきました。モデレーターは弊社の大西克明が務めました。
登壇者紹介
株式会社博報堂DYデジタル
ソリューションプランニング本部 データマーケティングユニット
データアナリティクスグループ
データアナリスト 岡田 麻耶 氏
株式会社イー・エージェンシー
カスタマーサクセスマネジメント本部 データ×カイゼン部
データインプリメンテーションチーム
チーム長/データエンジニア 川島 雅幸
データ統合されず、十分にデータ活用されていない ~ データアナリストとデータエンジニアから見たデータ利活用の課題
――はじめに岡田氏から、データアナリストの立場から見た現状のデータ利活用の課題をお話しいただきました。
岡田氏:
「広告業界でもデータ解析をする人は比較的増えてきましたが、それにつれてエンジニアの需要が増してきています。しかしながら、データ解析に対応できるエンジニアが広告業界には不足しているように思います。
一方、クライアントには膨大なデータが蓄積されているものの、十分に活用できているところはまだまだ少ないのではないでしょうか? きちんと活用するには、Webやリアルや各部門ごとに散在する膨大かつ様々なデータを統合して分析することが重要になってきていると思います。」
――データエンジニアの川島から見ても、同じような課題が感じられるようです。
川島:
「岡田さんもお話されましたが、データを統合すれば、より様々な分析にデータを活用できるようになってきています。
とはいえ、ECサイトとリアル店舗の両方を持つ会社も多いと思いますが、多くの場合、ECと店舗でデータがバラバラのままになっています。会社内の組織もECと店舗で別々になっていることが多く、いざデータを統合するにも非常に困難というケースもあるくらいです。」
博報堂DYデジタル データアナリスト 岡田氏(中央)、
弊社 データエンジニア 川島(左)ともにデータ統合を課題に挙げる。
データ統合で実現できること(1)アトリビューション分析による広告の最適化
――ともに「データ統合されず、十分にデータ活用されていないこと」が課題に感じられるようです。では、データを統合して活用すると、どのようなことが実現できるのでしょうか? 最近の事例として、岡田氏からはWEBサイトとリアル店舗を持つメーカーの施策についてお話しいただきました。
岡田氏:
「最近は、特に小売業界などでは、さまざまなデータを統合し、広告が販売にどのような効果を及ぼしているのかを可視化する動きが徐々に進んできています。
たとえば、WEBサイトに訪問した人がリアル店舗への来店にどのくらい寄与しているか分析することができます。まずはオンラインとオフラインのデータをGoogleのBigQuery上で統合します。そして、どの広告やコンテンツが来店に貢献したか、いわゆるアトリビューション(貢献度)の分析を行っています。
アトリビューション分析によって、広告のアロケーション(割り当て、配分)を最適化することができます。これまで見ていたラストクリックだけでなく、そこにいたるまでのアトリビューション分析が重要になってきています。」
博報堂DYデジタル 岡田氏(中央)より、
来店情報を含むデータ統合とアトリビューション分析の事例について。
※写真中の画面は一部加工しております。
データ統合で実現できること(2)深層学習・機械学習・AI利活用による予測モデルの構築
――データ統合で実現できることとして、川島からは最近取り組んだ深層学習・機械学習による予測モデルの構築事例をご紹介しました。
川島:
「まだ実験段階ですが、過去の販売データを元に深層学習・機械学習を使って将来の販売予測をすることができます。深層学習・機械学習にはGoogleのTensorFlowを利用しています。
まず、過去の販売データに、販売に影響すると考えられる天気のデータを説明変数(結果に対して原因となりそうな事象のデータ)として与えることで、最初の予測モデルを作ってみました。
初めのうちは予測したデータと実際のデータに大きな乖離がありましたが、データを掛け合わせる期間や説明変数を増やしたり減らしたり試行錯誤した結果、かなり精度の良いものを作ることができたと思います。」
――岡田氏からも機会学習の事例をご紹介いただきました。
岡田氏:
「電子書籍のサイトに、独自の機械学習によるレコメンドエンジンを実装しました。
通常のレコメンドエンジンだと、レコメンドされる商品のジャンルにどうしても偏りが出てしまいます。もちろん、それでこそレコメンドエンジンなのですが、今回はもっと他のジャンルの商品もレコメンドしてみようということで、機械学習によるレコメンドモデルを作成しました。
先程の川島さんのお話にもありましたが、私たちも試行錯誤することでお客様に満足していただける結果を出すことができました。」
博報堂DYデジタル 岡田氏(中央)より、
データ統合と機械学習によるレコメンドモデル構築の事例について。
弊社 川島(左)からは販売予測モデルの事例についてご紹介。
※写真中の画面は一部加工しております。
データ統合を可能にする体制づくりとツール活用を ~ データ統合による、さらなるデータ活用に向けて
――データ統合による、さらなるデータ活用に向けて、今回のテーマでもある「データ利活用でいちばん大事なこと」と「やるべき施策」について伺いました。
岡田氏:
「少し前までは、配信した広告の結果を報告したり、サイトのアクセス状況を見て改善提案をしたりすれば必要十分でした。しかしながら最近では、お客様の様々なファーストパーティーデータを統合し、分析・提案・実施を並行して走らせることが求められるようになってきています。
担当部署が分断されているケースもよくありますので、部署を横断して1つのテーブルに着けるようにプロジェクトを組んでいくことも必要になってくるでしょう。」
川島:
「これまでは人力でデータをレポート化し、それを元にしてさらに人力で分析・予測して次のアクションを起こしていました。そうした人力で行ってきたことも、機械学習・AIをはじめとする様々なツールを活用することで軽減・高速化できるようになってきています。
データ統合もしやすくなり、多様な分析・予測も実現できるでしょう。次のアクションもタイムリーに打てるようになると思います。」
おかげさまで、ご覧のとおり多数の方々にご来場いただきました。
ご清聴、誠にありがとうございました!!
【まとめ】今後のデータ利活用のカギは「データ統合」にあり ~ アトリビューション分析による広告の最適化や、深層学習・機械学習・AI利活用による予測モデルの構築など、今後のデータ利活用の出発点に
今回のトークセッション通じて、今後のデータ利活用のカギは「データ統合」だということが明らかになったのではないでしょうか? 今まさに企業が行うべき重要なことは、散在する膨大かつ多様なデータを統合できるようにすることだと言えるでしょう。アトリビューション分析による広告配分の最適化や、機械学習・AIによる予測モデルの構築など、今後のデータ利活用による施策の出発点になってくれるはずです。
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