2009年10月21日
ECサイトへの忠誠心が生まれるとき
柴田優子
インフォメーションアーキテクト
世に数あるECサイトの中で、ここは特別!と思えるお店はありますか?
私は中部地方にある家具屋さんのECサイトがお気に入りです。でもそのECサイトでは一度しか買い物をしていません。
古い家具に手を入れて売っているお店のECサイトなので、扱っている商品の価格帯がやや高め(決して手が出ない値段ではないのがニクイ)だからです。なので頻繁に買い物はできませんが、いつも気になってしまいかなりの頻度でこのECサイトさんを見ています。
そのECサイトとの出会い
このお店を知ったのは、たまたま寄った百貨店に期間限定で出店されていた時でした。そこでとても気になる椅子を見つけました。形は気に入ったものの、クッションの柄が部屋にあわなさそうだったので、そのまま帰宅しました。これがファーストタッチです。
帰宅後も気にかかるので、もらってきたショップカードにあったECサイトを訪問したところ、同じ形で柄も好みの椅子を発見!同日内に何度もサイトを訪問し、写真や価格、送料やお店の場所、歴史など複数のコンテンツを見つつ、商品備考欄にある「補修予定」の文字が気になり始めます。
そこで、思い切ってサイトのフォームから補修費用はどのくらいか、どんなことをするのかを問い合わせました。
気軽に買えないからこそ、お店の対応が重要なポイント
返信はお店で直に対応されているかのような親切な内容でした。補修費用・内容はもとより、素人では気づかないクッションの違いと座り心地の違いなども教えていただきました。
この中間接触でお店への信頼感がぐっと高まりました。また店員さんのマニュアル対応ではない丁寧な返信内容に、商品だけでなくお店への関心も高まりました。
他のECサイトとの価格比較もしましたが、妥当な金額であることを確認するのみ。
翌日、メールで他の疑問点も確認させてもらった上で、早々にコンバージョンに至ったのです。他のECサイトでの購入は考えられませんでした。
私にとってはそれなりに大きな買い物でした。それでも短期間で購入に至ったのは、対応してくれたお店の方々(百貨店にいらした店員さん、ECサイトで対応してくれた店員さん)の印象がとてもよかったというのが大きな要因です。
満足度の高い買い物が、ECサイトへの忠誠心を生む
購入までの一連の行動を思い返すと、接触ごとに商品への関心・執着が高まり、またお店への信頼・好感も増していき、パッと買いにくい価格や実物を見られないという不安を払拭するくらいに気持ちが高まっていました。
到着した椅子にも、とても満足しています。友人・家族にも好評で、勧めていないのに勝手に座る人ばかり。それもまた、買い物そのものへの満足につながっているのです。
こうした満足感が、ECサイトへの再訪につながっていると自分で思っています。高額商品になればなるほど、購入という意味でのリピーター獲得は難しいものです。それでも他の人への波及効果はあるもので、人から聞かれれば私はそのECサイトを積極的に薦めてしまいます。
このECサイトを応援したい、人に薦めたい。自然とそう思うようになるには、買い物という一連の行動の中でどんな体験をしたかです。
この文章を書いていて、私は本当によい買い物体験ができていたなと改めて思いました。
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