2011年07月29日
サイト改善 最初の一歩 「観察」から始めよう
柴田優子
インフォメーションアーキテクト
元々NHK好きの私が最近気に入っている番組。それは、Eテレ(NHK教育テレビ)の「デザインあ」です。子どもに(大人に対しても)「デザインの面白さ」を伝え、「デザイン的な視点と感性」を育むことを目指した番組で、いろんなコーナーがあります。
番組を通して共通しているのは「観察すること」。
オートバイや宇宙服を観察してデッサンする。靴やケーキを分解して、どんな要素で構成されているのか観察する。筆記具の線の違いを観察する。
番組最後のコーナー「デザインの人」でも、様々なジャンルの一線で活躍するデザイナーが登場します。その人達の多くが、「観察してみよう」と語りかけています。
サイトの設計も同じで、「観察する」ことから始まります。
サイトのどこを直せばいいのかなと思ったら、実際のサイトを観察、操作してみますよね。新しいサイトを立ち上げる時にも、そのサイトを使って欲しい人の言動や行動を観察する。そこには、いつも新しい発見があります。
先日、某ECサイトさんのサイト内検索のデータを見る機会がありました。
ある”季節用品”の検索回数が非常に伸びていたものの、サイトから離れていく割合がとても高いのです。データだけ見ているとわかりませんが、実際にサイトでその語句を検索して結果を観察したら、すぐに原因がわかりました。
サイト内検索結果の上位に上がっていたのが、季節用品の付属商品だったのです。
もちろん、そのサイトではその季節用品本体も売っています。しかし、サイト内検索がうまく調整できていなかったようなのです。
観察で原因がわかりました。あとは解決手段を探します。
そもそも季節用品本体を重く見て検索結果に反映できないか、その季節用品はカテゴリにもなっていたので、カテゴリへのリンクを出せないか検討したり、いろいろな手段が上がります。
しかし、すぐに検索システムに手を入れることが難しかったので、簡単な改善方法がないか、さらに考えることにしました。
どのページで検索が利用されているのかデータを見たところ、サイト内検索利用度が高いのはトップページであることがわかりました。そこで、サイト内検索付近に季節用品カテゴリへのリンクを設けてはどうかということに落ち着いたのです。
まだ結果は出ていませんが、少しでも機会損失が減ってくれるとよいなと思っているところです。
「デザインあ」は、表面的なデザインのよしあしではなく、人の気持ちや行動に沿って物事や仕組みがデザインされていると教えてくれる番組です。
サイト構築や部分改善も、まさに同じことだと思います。人の気持や行動に沿って、全体や個々の機能、配置、演出を考え、それが効果の積み上げになります。
他のサイトを見るときにも、なぜこんな機能があるのか、このレイアウトはどういう意味があるのかなと、気になるところはじっくり観察する。それが自分の引き出しになっていくのだと思います。「デザインあ」を見ていると、改めてその大事さに気付かされます。
子ども向けデザイン教育番組を見て思うこと。観察することの大切さ。
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