もごもごキャラデータを完全無料公開!~クリエイティブ・コモンズ・ライセンスで公開する理由

2007年8月23日 | 広報・PR・イベント運営担当

2007年08月23日

もごもごキャラデータを完全無料公開!~クリエイティブ・コモンズ・ライセンスで公開する理由

野口 竜司
ドラゴンフィールド/イー・エージェンシー

ミニブログサービス「もごもご」のキャラクターデータ、ロゴデータをクリエイティブ・コモンズ(以下、CC)に沿ったライセンス形態で公開しました。公開したデータは、極めて元データに近しいデータですので、なぜ公開したのだろう?と疑問を持たれる方も多いと思いますが、今回なぜ完全公開に踏み切ったのかをクリエイティブ・コモンズの紹介も合わせてお伝えします。

・もごもごキャラ・ロゴをCCライセンスで公開
http://mogo2.jp/cc.shtml (もごもご)

●クリエイティブ・コモンズとはなにか?

 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)は、スタンフォード大のローレンス・レッシグ教授らが発起人となって創設されたライセンス形態です。ネットの普及に伴い、コンテンツの流通が促進された結果、多様化した流通形態や規模に対して現行の著作権法ではうまく対応できていないため、サイト運営者自らがそのサイトの著作権や利用範囲を設定することで、コンテンツの利用を促進する狙いがあります。

 大抵のWebサイトのフッター部分には、お約束のように「Copyright (C) 2007 XXX All Rights Reserved. 」の文言が並んでいますが、一体これは何を宣言し、どんな意味が含まれているのか知っている人は少ないのではないでしょうか?

 日本語に訳すと「XXXは全ての著作権を保有します」となりますが、それを宣言することで何が変わるのでしょうか?
実はこの著作権明示には対して意味は無いと言われています。図書館の入り口に「ここの本はXXX図書館が所有しています」と書いてあるくらいの意味しか持ちません。

 図書館に来た人はそんなことよりも、何冊まで借りられるのか、何日借りられるのか、が興味があると思います。これはサイトも同じで、ブログの記事を引用したいけど、それは可能なのか?何か条件があるんだろうか?そのデータを商用使用したいのだけど可能だろうか?が気になっているわけで、その疑問に対して「Copyright (C)2007 XXX All Rights Reserved. 」の記述は何ら答えを返してくれません。

 CCライセンスだと、著作者の表示/非表示、商用使用/非商用使用、改変禁止、継承などのアイコンを表示することで、二次利用に関する問いに答えることができます。
CCライセンスのアイコンで明示することで、コンテンツの二次使用に対する心理的ハードルを少しでも下げられるのではないか、と考えています。

●広がりを見せるクリエイティブ・コモンズ

 CCライセンスは、個人サイトのみならず一部のメディアでも使われ始めています。
翔泳社は、書籍「CONTENT’S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ」にクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを付加し、取材動画の一部をYouTubeで公開しています。

・YouTubeにも一部公開、CCライセンス付き書籍が翔泳社から
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0708/01/news092.html (ITMedia)

 この場合のCCライセンスは「表示 / 非営利 / 改変禁止」となっており、非商用の範囲において内容を改変しなければ自由にコピーしても構わない、ということになっています。本の一部を抜粋して、それに言及するブログ記事を書くことに全然構わない、ということです。また取材模様の動画は「表示 / 非営利 / 継承」なっており、「改変禁止」の条件が無くなっているため、字幕を付けたりなどの二次創作が可能と
なっています。

●マッシュアップ時代のデータ公開

 今回のもごもごロゴデータ・キャラデータも「表示 / 非営利 / 継承」となっておいますので、二次創作が可能となっていますが、これに関して、リスクを感じる人も多いかと思います。キャラデータを改変して猥雑なキャラにされたり、あるいはそれを配布されたりしても、表立って抗議することができないわけです。ロゴデータをパクられて、別のロゴを作られたとしても諦めるしかありません。

 話は変わりますが、もごもごでは、先だってAPIコンテストを開催しました。(コンテストの結果は、8月末にサイト上で発表します)
 APIとセットで触れられるキーワードとして「マッシュアップ」がありますが、色々なサービスのデータを組み合わせて新しいコンテンツを産む出していくわけです。既存サービスを組み合わせて新しいサービスを産み出し、それが思いもよらなかった化学変化を起こし、1+1が2ではなく、10にも100にもなることがあります。

 ブランドコントロールと言う意味では、二次創作を大々的に認めてしまうことはリスキーなのですが、一方で、二次創作を認めることにより、ユーザーの手により世界観が広がっていく、という側面もあります。

 もごもご自体、多くのユーザーの声によってサービスを改善してきました。もごもごはすでに、ドラゴンフィールドだけで制作・運営しているサービスではなく、ユーザーと共に創っていくサービスと言えるでしょう。今回のデータ公開により、キャラクターやロゴがマッシュアップ展開・発展していくことを願っています。公開することによるリスクではなく、世界観が広がっていく期待感が大きいのです。

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