2007年11月15日
ECサイトの最近の傾向について ~ 撮影機材&テクニック編 - ECサイトの戦い方(3)
柴田 幸一朗
ダイアモンドヘッド株式会社
ECサイト利用者のほとんどは、最初に目にした画像からその商品の情報を得ます。
特にショッピングモール型ECサイトで同じ商品を複数の店舗で販売している場合は、商品検索後に表示される商品一覧のサムネール画像の印象が、クリック率を大きく左右します。ユーザーに好印象を与え、正確に商品情報を伝えようと思うのであれば、商品画像はとても大切です。
プロのカメラマンのようにきれいに撮影っているするには、高価な機材や技術が必要ですが、今回はできるだけ低コストで、上手に撮影を行うためにどのような機材を準備すればいいのか、どういうことに気をつけて撮影すればいいのか、を私が実際に使機材と共にご紹介したいと思います。
機材について
まず、蛇足ながら機材の購入方法です。メーカーサイトなどいろいろなサイトで販売していますが、最近は量販店サイトでほとんどの機材が一括購入できます。ポイントを考慮するとお得です。
それでは、ユナイテッドアローズ、ワールド、トリンプ、バルス社(フランフラン)などのECサイトの商品撮影で実際の使われている機材一式をご紹介いたします。
・デジタル一眼レフカメラ(キヤノン EOS KissデジタルX ダブルズームキット)
低価格で初心者でも扱いやすい機種です。価格.comによる最安値は77,700円。平均価格でも10万円弱です。
・コンパクトフラッシュ(BUFFALO RCF-X1GY)
現在撮影で使っているのは1GBの容量ですが、最近では8GBのものでも1万円を切るくらいの価格になっています。大量の商品数の撮影に備えて、大容量のものをオススメします。また予備があると安心です。
・ホットシューアダプター(ニコン ホットシューアダプター AS-15)
カメラとジェネレーターをつなぐために必要です。
・背景紙(SAVAGE WIDETONE 背景紙 (2.7×11m/スーパーホワイト)No.01)
仕上がりのイメージを考え、黄色がかったものよりスーパーホワイトなどの純度の高いホワイトを選んでいます。家具や動きのあるものを商材として扱っている場合は、これよりも横幅が広い方をオススメします。
・トレシングペーパー(堀内カラー HCL トレシングペーパー)
光を和らげるために使います。必要な分だけ切って使えるため、あらかじめ大きいサイズを購入します。
・ストロボ(コメット CB-25ヘッド(リフレクター付き))
2灯以上必要です。
・リフレクター(コメット CTXリフレクター(140φ)
ストロボと同じメーカーの純正品を選びます。
・ジェネレーター(コメット CB-2400IV 電源部)
ストロボと同じメーカーの製品を選びましょう。コンパクトで扱いやすいものがオススメです。
・三脚(ジッツォ マウンテニア三脚 GT1530)
足がしっかりとしたものを選びます。人物撮影など高さがあるものを撮影する場合は、脚が長いものを使いましょう。
・アンブレラ(フォトフレックス アンブレラM (115cm))
傘の形状をした照明用の反射板です。ストロボと同じメーカーのものを選ぶと規格がきちんと揃うので安心です。
・ライトスタンド(ベルボン ライトスタンド LS-2)
足がしっかりとしたものを選びます。ライトに2本・背景紙に2本で計4本必要です。高さのある撮影から置き撮りまで対応できるように伸縮するタイプがオススメです。
・ポール(マンフロット テレスコピックバー 272B)
ライトスタンドと接続して背景紙を支えます。背景紙の幅にあわせて調整するため、伸縮するタイプがオススメです。
・露出計(セコニック フラッシュメイト L-308S)
意外と壊れやすいので、信頼できるメーカーの製品を選びます。F値の表示が細かい方がオススメです。
・ライトドーム(フォトフレックス ライトドームM)
人物をきれいに撮影したいときに真価を発揮します。
・レフ板(サンテック SP ロールレフII (Lタイプ)R-120)
折り畳めるタイプだと、持ち運びしやすくとても便利です。
商品の開封と撮影前準備
・商品が一つ一つ袋(箱)に入ってる場合、商品の大きさなどで袋(箱)の大きさが違うことがあります。また、複数のカテゴリーの商品を同時に撮影する場合は、付属品などが異なる場合もあります。
そういった場合、「どの商品がどの袋(箱)・付属品であるか、後からちゃんと確認できるように、商品を撮影順に整理する際に袋(箱)・付属品を必ず対にしておく」「袋(箱)や付属品が分かるように商品に付箋をつけておく」といった工夫で商品を元の状態に戻しやすくしておきましょう。
・衣類のように畳まれている商品は、撮影時に折りシワが出ないように、前日からハンガーに吊るしてシワを伸ばしておいたり、ハンディタイプのスチームアイロンを使うとハンガーにかかったままアイロンをかけられ、小スペースで早くシワを伸ばすことができます。
・ボトムを吊るす場合は、ボトム用ハンガーはクリップ部分の挟む力が強く、商品にクリップの跡が残ってしまう場合があるため、薄い布やガーゼを商品とクリップの間に挟むことで、跡が残りません。
・バックやアクセサリーや時計などは、撮影する際に付属品を丁寧に外して保管します。光沢や反射のある金属部分が指紋などで少しよごれている場合は、やわらかい布で拭き取ります。
撮影Tips
・撮影位置(カメラ位置と高さ)を一定に保ちましょう。
撮影位置が一定でないとライティング(光・明るさ)でできる影の付き方がバラバラになってしまいます。そのため画像の調整が画像毎に必要になり、統一感を出すためには時間と手間がかかってしまいます。
・通常、サイトで仕様する画像に比べ、撮影画像は大きなサイズのものとなりますが必要に応じて余白分を除いたトリミングや部分的に寄ってのトリミングなど、撮影後に画像処理が行うことがあります。その際に、柔軟に対応ができるように、ファインダーいっぱいを使うのではなく、商品(人物)全体の周りに余裕を持たせるくらいの距離感で撮影をしておきましょう。
・一番注意するポイントは、撮影時に撮影画像と実物の商品の色を合わせることです。
カメラやライティングによって出にくい色や、逆に出すぎる色がありますのでカメラの液晶で確認するだけではなく、PCの画面で確認するとより正確です。
・撮影した画像データをPCに移す際に、商品の形状や色が似ている商品の画像の場合、どこからどこまでがどの商品の画像なのか、分かりにくくなります。そのような事態を避けるために、商品が変わる際に、その商品に付属する値札やタグ(品番、色番)を撮影すると、商品と商品の切り替わりが分かりやすくなります。画像を商品名や品番などに変更して管理する場合は、商品毎に撮影します。
・商品に付属する値札やタグなどは紛失してしまう恐れがあるので、撮影時にでできるだけ外さないようにします。
・事前に撮影順をリストにして準備しておくと、撮影後のチェックもしやすくなりますし、撮影漏れを防ぐことができます。
最後に
デジカメ・液晶の進化により、高品質な撮影が手軽に行えるようになったためユーザーもキレイな画像に対する慣れています。当然、商品画像も期待を持って眺めていますので、売れるECサイトに撮影テクニックは欠かせないポイントになってきます。
コツをつかむまで最初は大変かもしれませんが、角度や明るさなど調整しながら撮影を続けていくと、次第にきれいに撮れるポイントや方法が分かってきます。何度でもトライしてみてください。
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