マーケティング2.0という概念~ Web2.0という環境をベースに始まる、マーケティングの進化形

2006年11月6日 | 広報・PR・イベント運営担当

2006年11月06日

マーケティング2.0という概念~ Web2.0という環境をベースに始まる、マーケティングの進化形

長峯 新一郎
ドラゴンフィールド株式会社
http://dragon.jp

 「マーケティング2.0」という言葉を目にするようになりました。
これはもちろん「Web2.0」をベースとすることで可能になったマーケティングの新たな考え方・手法であることはいうまでもありません。

識者が語る「マーケティング2.0」

 去る10月12日に開催された「テレビCM崩壊を超えて~インターネットマーケティング2.0」(ネットイヤーグループ・インプレスR&D共催)というセミナーに参加してきました。セミナー講師は、「テレビCM崩壊」(翔泳社)の著者として知られる織田浩一氏と「マーケティング2.0」(同)の監修者でネットビジネスを専門とするコンサルタントの渡辺 聡氏。

織田浩一氏 講演テーマ「テレビCM崩壊を超えて ~対話としてのマーケティング~」

 講演テーマにもなっているとおり、「マーケティングは対話になった」という自論を強調された内容でした。その昔(産業革命以前)、商店オーナーや店員は、「対話」によって顧客の嗜好などを把握していた。つまり「対話」そのものが当時のマーケティング活動であったという切り口から講演はスタート。

 産業革命・第2次世界戦争後に確立されていったマス広告は企業から消費者への一方向のマーケティングであったが、消費者のライフスタイルが多様化し、インターネット環境が発達した今、「消費者はメディアとなった」ため、かつてのように「対話」がマーケティングのキーポイントになっていると分析されています。

 現代の「対話」とは、「広告をクリックする」「登録フォームへ入力する」「検索する」「(情報や素材を)共有する」「リンクを張る」といった、私たちが日常的にインターネット上で行っている一連の行為が全て、企業と消費者間の「対話」であるとしています。その上で、企業は消費者の生活に土足で侵入するような広告ではなく、より消費者に合う、消費者に関連性のある広告を展開することが課題であると指摘されました。

渡辺聡氏 講演テーマ「マーケティング2.0」

 「テレビCMは本当に崩壊したのか?」を切り口に、テレビCMに明確な費用対効果を求める米トヨタの「番組関心度調査」の話や、石油温風器の欠陥問題により、年末商戦の時期に商品CMを完全に打ち切ったにも関わらず、大きな影響が出なかった松下グループの話、広告費を大量投資したが、CMが集中的に流れた時期以外は首位を譲り渡した資生堂「TSUBAKI」などを事例として挙げ、マス広告の「効果と役割の絶対性への疑問」についてまず話されました。

 そこで、「テレビは少し控えてネットへの広告出稿を増やそう!という仮説は正しいのか?」という話に進み、ホンダのメディア活用と効果測定の事例や、主にブログなどによるクチコミでスマッシュヒットとなった映画「時をかける少女」を取り上げ、「企業基盤の情報化とネット型メディアへの文化対応」の重要性について語られていました。
また、ジェニファー・アーカー教授が唱えるモデルである、

「真に強いブランドの4つの特徴」
 ・パーソナリティがある
 ・ブランドではなく関係を管理する
 ・失敗する
 ・不得意分野を明確にする

を参照しながら、「ショートメッセージからストーリーへ」「着飾って隠すことから誠実な情報公開へ」という現在のマーケティングやブランディングに求められている進化について話されていたのも印象に残りました。

大企業だってマーケティング2.0をしてみたい!?

 セミナーに参加した数日後、CGMマーケティングサービスの開発に取り組まれている企業の方にお会いする機会がありました。CGMマーケティングをどうビジネスにつなげるか、ということを常に考えられている方なので、興味深くお話を伺うことができました。お話しの中で特に印象深かったのが、「大企業もWeb2.0を活用したマーケティングをやりたがってるんですよ。でも、ノウハウを持っていない」という一言でした。

 セミナーで渡辺氏が事例に挙げていた映画「時をかける少女」もそうですが、マーケティング2.0は、ブログレベルであれば非常に安価でマーケティング活動を仕掛けられるため、広告宣伝費に予算をかけられないメディア作品やニッチ系商品などのプロダクトに適したマーケティング手法というイメージがどことなく先行していたように思います。(ロングテールといった用語とともに、“小さな会社の大きな成功例”の方がピックアップされてきたという背景もあるかもしれません)

 大企業も、決してマーケティング2.0を軽視していたわけではないと思いますが、せいぜいブログを活用したクチコミマーケティングがやっと、という状況が続いているようにも思います。マーケティング2.0のベースとなるWeb2.0は、ブログなんてほんの一部に過ぎないほど多岐に渡るジャンル(SNS・Wiki・動画・音楽・地図・モバイル・Web通販など)で進化を続けています。

 マーケティング2.0がどのように進化を続けていくのか、そしてどのような事例が誕生するのか、非常に楽しみです。

PICK UP

ライター

おもてなしを科学するイー・エージェンシーでは、クロスデバイス分析によるユーザー単位の分析やオンラインオフラインを横断した分析など次世代の分析をサポート。また分析データを元にしたABテスト支援から、EC領域での購買、行動データを活用したレコメンドシステムなどを提供。 お問い合わせはこちらにどうぞ。

お問い合わせ

サービスに関するご相談は
こちらよりお気軽にお問い合わせください。

e-Agencyの様々な情報をFacebookでお届けします!