2005年02月24日
SEOのトレンドを追う(2) 「サテライトサイト編」
田中 亮
イー三六五株式会社
http://www.submit.ne.jp/
前回では、サイト構造やレイアウトは全く変えてはいけないというサイトや、無数にあるターゲットワードを全てフォローしたいというクライアントのニーズに応えるため、SEOに特化したサイト「サテライトサイト」の構築が有効であるとお伝えしました。今回その続きとして、「サテライトサイト」について述べます。
現状と問題点
サテライトサイトの構築がSEOの新しいトレンドになり得る理由として、現状のECサイトが抱える制約を打破できる点が挙げられます。一般的なECサイトに発生する問題は主に以下のようなものがあります。
(1)主要キーワード全てに対策することができない
(2)ユーザーの様々なモチベーションに対し、対応しきれない
(3)Yahoo!JAPANには1URLにつき2カテゴリーまでしか登録できない
(1)はSEOにおいて重視されるサイトテーマ、テキストマッチに大きく影響する要素なので、殆どのケースに当てはまります。取り扱い商品が少なく、対象とするワードが限定されている場合だと、本体サイトだけでも問題ありません。しかし商品点数が増えるに従い、対策するワードの幅が増え、自由な動きのとれない本体サイトのみでは対処しきれなくなることが考えられます。
(2)も(1)と連動するのですが、本体サイトでは扱えないコンテンツがランディングページとなる可能性も十分に考えられます。例えばパソコンの買い替えを検討しているユーザーがスペックについて調べているとき、用語集のページが検索結果に出てくればクリックするでしょう。しかし、本体のECサイトに用語集のコンテンツを置くことができない場合は、このユーザーを取りこぼすことになります。
(3)についてはもはや、本体サイトをどうこうするという範囲では対処できません。事業所は全国にあるのに、本社が東京にあるというというだけで地域情報の「東京」と「ビジネスと経済以下」の2カテゴリーにのみ登録されてしまうと、地域属性で検索する全国のユーザーを獲得できません。
解決策と効果
こういった問題に直面しているECサイトは意外に多いでしょう。これらの制約から開放されるには、もはや別のサイトを作るしかないのです。(1)のように対策したいワードが無数にある場合、1サイトで1テーマ、1ページで1テーマというSEO上のルールに従えば、1サイトではなく複数のサイトに分けて対策するほうが効果は高くなります。1つのサイトで全てをやろうとするとどれも中途半端な結果にしかなりません。
(2)を解決するためコンテンツの幅を広げ、ユーザーのモチベーションに合わせたページを表示してあげれば、コンバージョンまでの最短経路を確保することが可能になります。ユーザーが一般的に求めているであろう情報、例えば「デジタル放送とは?」という見出しのコンテンツを作り、販売ページへリンクすることによってデジタル放送対応のテレビ購入を検討しているユーザーを誘導できるといった具合です。
ビックカメラ.com 地上デジタル放送とは?(※”デジタル放送とは”の検索結果2位)
http://www.biccamera.com/bicbic/jsp/w/visual/faq/digital/index.jsp
また、(3)に至ってはYahoo!JAPANのルールが変わらない限りどうしようもありません。それだったら支店毎にサイトを作って、全部ビジネスエクスプレスで載せてしまおうという至ってシンプルな発想ですが、現在の時点ではこれが最も即効性のある対策といえます。何も数十サイトも作らなくても、本体を補助するサイトが一つあるだけでも集客力は格段に変わってくるでしょう。
制約と代替案
また、前述の3項目以外にもサテライトサイトはデザイン・システム上の制約を受けないという点も重要です。レイアウトや素材を変更できない、あるいはページを動的に生成しているのでページ毎の対策が難しいといった制約は意外に多いものです。
そういった場合でも、サテライトサイトであればデザイン性を重視せずに、SEOに特化したテキストベースのサイト構築が可能です。リード文が画像だったり、メニューがJavaScriptによるプルダウン、といったSEOの観点では好ましくない仕様の場合は特に効果的でしょう。
例えば商品詳細ページで商品名が画像になっており、一度もテキストで出てこない、あるいは初見では見つけづらい場合、ユーザーは商品名をコピーすることすらできません。これでは商品名で検索し、比較・検討するといったユーザーアクションの妨げになります。型番などの無機質な文字列を検索窓に入力することはストレスやミスにも繋がりかねません。
この場合<h1>や<h2>タグによるワードの重み付けも、別途テキストを追加して行うことになり、不自然な形となってしまいます。それならば、テキストベースで(検索エンジンにとって)十分な情報量のページを新たに作ることによって、本体サイトのイメージ・仕様を変えることなく、クライアント意向も汲むことができます。
また、システム面においても、パラメータが含まれる動的URLよりも、ファイル名からディレクトリ構造が推測できる静的URLで生成されているページのほうが、ユーザーは直感的に行動できるので自然と閲覧ページ数も増えるでしょう。
サテライトサイト自体には販売機能はなくてもいいので、データベースから商品情報を引っ張ってくるようなシステムを導入せずに済みます。それぞれのページには個別の対策ワードに特化したテキストを記述し、本体のECサイトの該当商品ページへリンクして誘導するだけでいいのです。
このように、SEOに特化したサイトを構築することは、検索エンジンだけでなくユーザーにも親切なサイトを構築することと同義です。検索エンジンはテキストによる「必要な情報」のみを評価の対象とします。その「必要な情報」のみにフォーカスしたサイトを作ることによって、ユーザーの商品に対する理解を深めることもサテライトサイト構築の目的の一つです。
項目と事例
では、サテライトサイトを構築するにあたって効果的なコンテンツにはどのようなものがあるのでしょうか。次回は事例を元に、いくつかのパターンのサテライトサイト活用例をご紹介します。
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