2006年02月23日
IT二極化時代におけるWeb業界人の心得
吉村正春
ドラゴンフィールド株式会社
http://dragon.jp
・日本のビジネスパーソンはビジネス IT 用語に弱い!?
http://c01.wx0.net/?c=31987&m=1958&h=4686ef39ba (japan.internet.com)
上記記事より抜粋すると
「周りが使っているために、自分も意味を理解していない IT用語を使うことがある」
という人は7割を超えているそうだ。
抜粋終わり。
たしかにIT用語のハードルは高い。IT用語の消費スピードの早さも手伝って、もう覚えることを放棄している人も多いだろう。アルファベット3文字の略語なんて見るのもイヤだ、覚えるなんてトンでもない、と諦めムードの人も多いだろう。
Web業界にどっぷり浸かっている僕でさえ、IT用語の氾濫には苦々しく思っているくらいなので、一般人にとってはどれほど抵抗感をもって受け止められているのだろうか。恐ろしい。
Web業界人は今こそ立ち位置を確認すべき
自分の今のITリテラシー(※)がネットユーザー全体のどの辺に位置しているのか、すごく悩んでいる。いや、そんなに悩んでいないけど。でも、自分自身が一般的なことだと思ってe-Reportで紹介したり、執筆していることがほとんどの人に伝わっていないとなると、かなり切ない。
(リテラシー:使いこなす能力、のこと。ITリテラシーが高い人とは、(主に)Webに精通してている人のことを指す。ネットに詳しい人と言い換えても可)
今年1月上旬の話だ。エレベーターで乗り合わせた人達が、
「これ、買ったんだ」
「なに、それ? iPod?」
「iPod nanoでーす」
みたいな会話をしていた。20~30代くらいの人達だった。
うちの社内は、iPod nanoも発売日(2005年9月8日)に入手していた人間もいるし、買わないにしても、発売から数日中には社内のほとんどの人間がその存在を知っている。IT関連のアンテナの感度は決して低くないと思うけど、世間一般の常識とかけ離れるとそれはそれで問題が出てくる。
Webサイトやサービスを利用するのは、3ヶ月経って入手したiPod nanoを自慢げに見せる人達なのである。デジタルデバイドと言って、ITに疎い人と聡い人の間にITリテラシーの差が生まれることが危惧されたが、今は疎い人の割合が増えて、むしろその人達抜きにはWebビジネスは回らないところにきている。逆説的に言えば、ITリテラシーの低い人を取り込まない限り、Webビジネスで成功することは難しいということだ。
そして本格的なIT二極化を迎える
今、PCは馬鹿みたいに安い。ほんの10年前くらいまでは30万くらいしたPCが今では10万程度で買える。スペックにこだわらなければ(しかも低スペックでも通常作業に支障はない)、4、5万円でPCを買うことができる。その結果PCは、一家に一台どころか、一人に一台の時代である・・・
いやダメだ。その考え方も危険だ。今でも、高校生以下にとっては、PCは一般的なものではないし、ネットといえばやはり携帯電話が主流だ。あるECショップでは、PC Webサイトの売上をモバイルサイトが抜いたと言うし。数の上では全国民的に普及しているはずのPCが実はそんなに若年層に行きまわっていなかったり、重要視されていない(かもしれない)現実をWeb業界人は受け入れられるだろうか。
ターゲットの属性を、ITにおけるリテラシーも含んで考えなくてはならない時期に来ている。ターゲットは高校生、というだけではダメで、高校生のITリテラシーレベルはどれくらいか、ということも考慮に含めないと正しくWebサイトを構築することはできない。
電車男や生協の白石さんなど、ネット発の題材が本や映画になるに及び、ネットの影響力も高まってきた、とWebに馴染みに深い人であるほど、喜んでいるに違いない。かくいう僕もそのひとりである。そこに冷や水を浴びせるつもりは無いが、ただ既存メディアが題材をネットに求めただけではないか、とも思うのだ。さんざん消費され尽くされたら、またネット発の題材は鳴りを潜めてしまう、ということにならないか。
・国内広告費、ネットけん引で2年連続増・マスコミ4媒体は減
http://c01.wx0.net/?c=31988&m=1958&h=8cfdcaeb6b (NIKKEI NET)
Webの広告費は、2006年には雑誌の広告費を上回るほどの勢いだそうで、Webの躍進は歓迎すべきではあるんだけども、だからこそ自分達のスタンスを見つめ直すことも必要な時期に来ているのではないか、後ろにみんなが付いてきていることを振り返って確認することが必要な時期ではないか。
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