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広報あるある?フューチャースピリッツ×イー・エージェンシー広報対談、ここだけの話し【後編】

こんにちは、イー・エージェンシーの五十嵐です。
同じ京都創業の会社として仲良くさせていただいているフューチャースピリッツ(以下FS)さんとイー・エージェンシー(以下eA)による広報チーム対談の後編となります。

前編では広報チーム立ち上げの経緯から、会社の課題解決、そして社員との信頼関係づくりについてお届けしました。
後編では広報の役割を深掘りし、その効果やそれぞれが大切にしていることなどをお届けします。

前編をご覧のうえ本記事(後編)をご覧ください。


会社の課題をどうキャッチして取り組みに落とし込んでいくのか

──引き続き進行はフューチャースピリッツの大前が務めます。後編もよろしくお願いします。「広報の役割として会社の課題も解決していく」という話が前編で出ましたが、会社の課題をどうやってキャッチされてますか?社長に聞くのか?社員に聞くのか?全体を見渡してキャッチしているのか?

甲斐 大樹<eA>
今僕らは現場としては2名ですが、チームとしては部長と副部長の計4人でして、そこに甲斐社長も入った、5名で毎朝ミーティングを行っています。その中でさまざまな内容について話すので、割と経営課題の近いところにいると思います。

多田(FS)
私たちも谷孝社長直下の部署なので、そういう意味ではeAさん同様、経営課題には密接に触れられていると思います。

── 両社とも社長と近いところにいるんですね。そこから具体的な取り組みへはどのように落とし込んでいくんですか?

多田(FS)
谷孝社長からミッションとして採用広報には力を入れて欲しいというのがありました。

それまではサービス広報として活動していましたが、2021年から企業広報に軸足を移した際、どのステークホルダーに向かって、どういうメッセージを伝えればいいのか、を考えたときに、FSに入社したいと思ってくれる人をペルソナとして作っていくのは分かりやすいね、ということになり、今はそのペルソナに向けてコンテンツ発信や取り組みを具体的に落とし込んで行っています。

五十嵐<eA>
僕らもさまざまな取り組みを行っていますが、その中でも採用広報には力を入れています。採用広報において意識しているのは「誰に伝えていくか」です。ペルソナと近いのですが、カスタマージャーニーマップを策定して、eAを全く知らない人から入社した人までのプロセスを横軸として、各プロセスにおける行動パターンや心情などを縦軸にしています。もちろん投網的に縦軸・横軸を網羅できればいいんですけど、リソースに限りがあるのでポイントを絞って、そこにどういう施策が打てるのかを考えています。

── 広報の目標設定はどのようにしていますか?

五十嵐<eA>
目標をどこに定めるか、何をもって僕らの成功とするか、広報チーム結成当初は、迷いに迷いました。

その中で社員のエンゲージメントを高めるためにやっていた内向きの広報活動を、形を変えて外に発信していくことで、求職者さんがeAに興味を持ってくれて、結果的に採用にどう繋がっていったかというのが見えるようになりました。

採用サイトへの流入数や各コンテンツのPVなどのKPIもありますが、目標を設定するという点では、エージェントさんの紹介や求人広告経由で採用された人数と、直接応募で採用した人数を比較して、「今期、●人採用した中で、●人かは直接応募でした、だからこれだけ採用コストが削減されましたよね」というのを数値目標にしています。

── たしかに採用実績は、広報の活動指標としては分かりやすいですよね。

甲斐 大樹<eA>
入社してきた人が「SNSや動画見ましたよ」って言ってくれれば、「それでeAの情報をキャッチしてくれて理解を深めてくれたのか、この活動やってて良かったな」って嬉しくもなりますし。そして、その人に社員インタビューに行って「もっと褒めて」っておねだりしちゃったり(笑)

予算を確保するには

── 広報の予算の話なんですけど、採用に関しては予算が出やすいと思うんですけど、それ以外の広報活動の予算ってどうやって確保しているんですか?

五十嵐<eA>
僕たちの場合、ほとんど0に近いです。自前でどれだけ手と足を動かして汗かけるかみたいな(笑)

社員インタビューも「一応、撮影はしたけど、編集はどうすればいいんだっけ?」ってところから始めました。今はパートナーさんにお願いしている部分もありますが、基本的には自分たちで作業しています。

甲斐 大樹<eA>
2年、広報活動やってきて、僕らもできることが大分増えてきました。そうなると時間が足りなくなるので、じゃあ定型化できる部分はパートナーさんにお願いしようと、少ないながらも予算が付きました。

予算が付くようになったので、これかららは全体のストーリー作りや、いかに中身の質を上げていくかクリエイティブな活動に注力していくターンなのかな、と感じています。

── プロモーションなら、かけた予算分の効果を見込めますけど、広報って費用対効果的な考え方が難しくないですか?特に、広げるというよりは、質を高めていく活動というのは、目に見えにくいというか。

五十嵐<eA>
たしかに、媒体に出して広く浅くというよりも、深く知ってもらう活動に対しては、費用対効果は掴みにくいのは事実なので、離職率とか色んなデータを多角的に見ていく必要はあると思います。

多田(FS)
数値化できないと予算が取れない、みたいな意識を変えていくのも、広報の役割ではないでしょうか。KPIにこだわってしまうと、可能性を狭めてしまい、広報が本来届けたいところが制限されちゃうのかなって危惧はあります。

「結果出さないと予算ももらえないって理解はしていますよ、でもそこに収まらない活動もしていきますよ」と社内に向けて発信していくのも、広報の仕事ではあるんでしょうね。

── 先日、いつもはクライアントに向けた仕事をしている部署に、会社の名刺のデザインをあえてお願いしたんです。これで社内の何かが変わったんです。

── 実際に作成した部署のメンバーから「会社のことが何センチか好きになりました」、とか、「会社に貢献していると実感しました」、とかそういう声を聞きました。こういうことを、社内の幸福度、貢献度、やりがい度みたいなものとしてポイント化されるとその活動に対してもっと予算が出るのかなって。

多田(FS)
それいいねぇ(笑)

地道にレンガを積んでいこう

甲斐 大樹<eA>
会社の文化とかブランドを作るって、急いでやれるものじゃないので、全社で足並みを揃えてやっていく必要があると思ってます。

周りからは急かされますけど、地道に活動をして階段を一歩一歩上がっていくしかないので、タイミングを待つ覚悟が必要だな、というのは感じます。

初年度やりたかったことが2年目でやっとやれたりすることがあります。初年度やれなかったのは、そのタイミングではなかった、と思うようにしています。

五十嵐<eA>
「やるタイミング」と「やれるタイミング」があるなというのは感じてて、取り繕ってキレイな姿を見せることはできるんですが、それに惹かれて入社しました、でも入社してみたら中身は全然違った、というのでは意味がない。

そこはやっぱり外側と中身の両面を揃えないといけない。片方だけだと歪な構造になっちゃうので、時間がかかっても並行してやっていかないと。

── 予算が潤沢にあればいい、って話でもないし、成果だけを求められるのも違うって話ですよね。我々は土台を作っているんだということでしょうか。そう考えると、広報ってレンガを積み上げていく意外と地味な仕事なんですね。

五十嵐<eA>
ただそのレンガを積んだ上にどのような世界を作っていきたいのか、というビジョンは常に意識していかないといけないでしょうね。

レンガを積むのが仕事ではなく、「このレンガひとつひとつがeAの未来を築いていくんです!」と、その未来を常に意識して発信していくことが大事かなと。

甲斐 大樹<eA>
逆に言うと、そこが課題だったりもするよね。甲斐社長や役員は、レンガを積んだ先の未来を語っているんだけど、社員は今レンガを積んでいるので見ているところが違います。だから、未来と今を相互に話合えるような場を作るのも広報の仕事かなと思ってます。

── うちの谷孝社長が高度な話をするんですけど、あれ?誰もそこに手が届いていないって時があるので、広報がその間の階段を用意してあげないといけないんでしょうね。しっかりと会社としての考え方の足場を作ってあげて、みんなが社長の言葉に近づけるように導いてあげる。

多田<eA>
現在取り組んでいるのが、ミッションビジョンを刷新したので(「つながりから未来をつむぐ」)、社内外にそれを浸透させること。お客様と直接接する社員の対応やふるまいを通して発信されていくといいな、と思っています。

逆に外側から“いい意味で”ラベルを貼ってもらうのも効果的と思うんですよ。社内の人間が、外部から貼られたラベルによって、うちの会社ってこうなんだねって逆に再認識できるので。

そういった活動を通じて、みんながミッションビジョンを実感し、社内に浸透してきた頃には、それは広報が地道にレンガを作ってきたからだ、とは気付かれないんです。おそらく。
達成感は欲しいですが、それはそれでいいんでしょう(笑)

広報として大事なこと

── 広報として何を大事にしていますか?

甲斐 大樹<eA>
「僕の」ということであれば、甲斐社長の笑顔に尽きます。社長が笑顔でいられる状態を作るのが一番大事だと思ってます。社長が元気なら会社も元気なんで。

五十嵐<eA>
甲斐社長は今年、「アフターコロナは義理人情」って言ってて、アフターコロナは「男はつらいよ」の寅さんの世界になっていくんだ、ということで、全国各地に増えてきた地方のスタッフにも会いに行くし、昔からのご縁や繋がりをあらためて大事にしています。人のために誰かのためにという活動は笑顔の原動力になりますよね。

個人的に大事にしていることは、会社の未来や、携わる人たちの未来をどうしていきたいのか、それを叶えるためにはどうしたらいいのか、という問いに対してブレない信念。あ、「“義理人情”と信念」が大事だと思ってます。

── 義理人情きた(笑)

多田(FS)
今のフェーズだと、「会社と会社」「会社と社会」「社員同士」といった関係性やつながりを作っていくことが大事かと思っています。

特に今は個々が発信する機会も増えたので、関係性を尚更大事にしていかないといけないかな。

一旦関係性が繋がったら後はシナプスみたいに広がっていくと思うので、今はそのためのきっかけ作りを頑張っています。

阿部(FS)
私自身は社内広報や採用広報の業務の中で、社内外の人とコミュニケーションを取る機会が多く、楽しく仕事をすることを意識しています。
仕事で良い人間関係を築いて仲間を増やすことは、自分にとっても会社にとっても良いことだと感じています。

石丸(FS)
情報発信した後、第三者がどう受け取るのか、そしてどう再発信されるのか、はコントロールできないですよね。

広報はプロモーションではないので、発信する情報にベクトルや色を付けられません。やはりありのままの情報を誠実に出していくことに尽きるのではないかと思います。

初対面の人と出会ったときにちょっと背伸びをするようなことではなく、家族や親友のように等身大で向き合う姿勢が広報には大事だと思っています。

── ありがとうございます。対談を通じてみなさんの苦悩と努力を垣間見ることができました。そして、そこに対して非常に前向きでポジティブに向き合っていることも伝わりました。
広報の仕事ってなかなか内情が見えにくかったり理解を得にくかったりすることもあると思います。そんな中でも、ときには会社の顔だったり、ときには社内の情報のハブだったりと、多面的に繊細なコミュニケーションが求められる仕事かなと思いました。
その役割や機能は会社として非常に欠かせないものですので、今後もみなさんらしさを大切にしながら、その活動を通じてそれぞれの会社が発展していくことを期待しています。本日はありがとうございました。

フューチャースピリッツさんのオフィスにて記念撮影。オシャレなオフィス!

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