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ChatGPTの能力を覗いて見みよう!ーハルシネーション、翻訳、推論、要約

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こんにちは、皆さん。
イー・エージェンシーで広報・PRをしている甲斐大樹です。

前回の記事では、AIシステム "ChatGPT" の使い方を学ぶための方針として、その会話ログを分析することの価値を述べました。

今回は、このやり方にもとづいて実際の会話ログをピックアップして見ていきたいと思います。


実際に会話ログを覗いてみよう

ChatGPTはさまざまな能力を有しているとされています。これらは理解と生成、言語の翻訳、情報の統合と要約、情報検索、質問応答、共感、対話生成、類推、創造性、推論、そしてハルシネーションなど、非常に広範で多岐にわたります。これらの能力は、その応用方法によっては、私たちの生活や働き方を大きく変える可能性を秘めています。

ですので、今回の記事では、私が実際にシェアされている会話ログを見ておもしろかった能力の例を紹介します。これらの例は、ChatGPTがどのように働いているのかを理解するうえでたいへん有用です。

ChatGPTの能力を垣間見る

ハルシネーション

ハルシネーションとは、人工知能の幻覚とは、人工知能が学習したデータからは正当化できないはずの回答を堂々とする現象である。

ウィキペディア

次の会話ログは、「アルデンヌの狂犬」という料理メニューをChatGPTに教えてもらうというものです。「アルデンヌの狂犬って何?聞いたことがない」と思ったとおもいますが、それもそのはず「アルデンヌの狂犬」は架空のメニューだからです。

見ていただくと、ChatGPTは「アルデンヌの狂犬」という料理メニューについて堂々と次のように回答しています。

「アルデンヌの狂犬」は、フランス料理の一つであり、豚のローストという美味しい料理です。以下に一つのレシピをご紹介しますが、料理の詳細や好みに応じてアレンジしてください。(続く)

架空のメニューを質問✕架空のレシピを回答で、食べられそうなメニューが創られました。「嘘」✕「嘘」=「真」になるという創造性を感じます。

この会話は、AIがどのように知識を処理し、架空のものでも現実的な解答を生成する能力を示しています。"アルデンヌの狂犬"という名前は、AIが事前に知っている可能性のある料理名には含まれていません。しかし、AIは既存の知識を用いて新たなアイデアを生成することが可能です。この場合、"アルデンヌ"はフランスの地名で、フランス料理が世界的に評価されていることから、AIはこの架空の料理をフランス料理と推測したようです。

翻訳(言語)

翻訳というと英語から日本語へみたな言語の変換がぱっと思いつきますが、ChatGPTはそれにとどまりません。次の会話ログは、三角関数という数学知識を古文と漢文に変換していきます。最終的には、三角関数の説明を七言絶句の形式の漢詩でします。

七言絶句の形式の漢詩にて三角関数を表現します:
「函數論三角,直角邊比高。
 正弦餘弦名,線長隨角變。
 正切對鄰比,角度與線長。
 函數闡宇宙,學問之道弘。」

https://chat.openai.com/share/9bdc710a-540c-4727-a1a6-59b5d8719de7

数学、古文、漢文を行き来する言語能力の高さに驚かされます。この会話ログは、言語が好きな人にとってはたまらないと思います。ちなみに、この七言絶句の形式の漢詩の会話をChatGPTに再解釈してもらいました。

この中国語の詩は、基本的な三角関数(正弦、余弦、正接)について説明していると解釈できます。以下、各行の内容について説明します。

"函數論三角,直角邊比高。" この行は、三角関数が三角形の辺の比率に関するものであり、直角三角形に特に重要であることを述べています。

"正弦餘弦名,線長隨角變。" この行は、正弦(sine)と余弦(cosine)の概念を紹介しており、これらの値は角度が変わるとともに変わることを述べています。

"正切對鄰比,角度與線長。" この行は、正接(tangent)が対辺と隣辺の比率であること、そしてこれが角度と直線の長さに関係することを説明しています。

"函數闡宇宙,學問之道弘。" 最後の行は、これらの三角関数が宇宙の理解に役立ち、学問の道を広げることを強調しています。

全体として、この詩は三角関数の基本的な概念とその重要性を美しく表現しています。

https://chat.openai.com/share/e00989c3-9239-41a6-9643-489b70dc9b19

七言絶句の形式を取ることで三角関数の基本的な概念とその重要性を美しく表現されているということです。数学の美しさが表現されていて本当に素晴らしいです。数学、古文、漢文はそれぞれ専門知識と言えると思います。このような専門知識を横断する言葉づかいのうまさは、専門分野、世代、異業種といった言葉の違いもうまく扱えるのだろうと思います。

推論

次の会話ログでは全人類約77億人を母集団とするある調査のコストを大まかに試算するという問いに対して、一連の推測と計算を行っています。

オンライン調査: このタイプの調査では主にウェブベースのプラットフォームを使用します。母集団全体(約77億人)からランダムにサンプリングを行うとします。通常の市場調査の場合、一人あたりのインセンティブは約$5とします。母集団全体から0.01%をサンプリングするとすると、約770万人になります。インセンティブだけで約3850万ドルが必要です。また、プラットフォームの利用料、データ分析、プロジェクト管理などのコストも考慮すると、全体のコストはインセンティブ費用の倍程度、つまり約7700万ドルになると考えられます。

https://chat.openai.com/share/329957f4-befd-47d9-b676-ad5beb12adc5

これは、フェルミ推定といえそうです。数値計算に弱いところがあると言われているChatGPTですが、Wolframプラグインを組み合わせればより精度高い推論が可能になると思います。

フェルミ推定とは、実際に調査することが難しいような捉えどころのない量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算することである。

ウィキペディア

「全人類を母集団としてそこから層別にランダムサンプリングする費用を概算でいいので試算してみてください。」と上司に言われたら「無理です。」といってやらないか、「がんばります。」といって一週間ぐらいなにもせず寝かしてしまいそうです(笑)このような推論ができることに驚かされますが、これを嫌がらずに数秒で回答してくれるのだから、すごすぎて言葉になりません。

要約(統合)

単に文章の要約してもらうというのは、ChatGPTの能力を活かしきれていません。要約という表現はとても表面的で、ChatGPTは複雑な構造を統合できると言ったほうが良いと思います。次の会話ログはその一例です。

この会話では、
・貧困の原因のフローチャート
・教育不足のフローチャート
を作成し、その後、
・その2つの構造を統合したフローチャート
を作成しています。

言葉で説明とわかりづらいので、それぞれどのような図かMermaid Live Editorでフローチャートを生成してみます。

貧困の原因のフローチャート

教育不足のフローチャート

2つ構造を統合したフローチャート

統合したチャートは複雑で大きすぎて文字が読めないです。もし全体を見たい方はここをクリックしてください

「貧困の原因」と「教育不足の原因」という2つの異なる構造も十分複雑なのに、これを数秒で統合するというのは自分にはできないと感じました。さらに会話を続けて、「この構造は複雑なので、より上位概念によって抽象化してわかりやすくしてください。」と抽象化してもらうこともできます。というように、構造化、統合、抽象化という僕たちが日々、仕事でよくやっていることをとてもうまくこなしてくれます。

多面的な能力を発見して共有したい

みなさまも、ぜひ次の検索キーワードをTwitterで入力して検索してみてください。

「lang:ja chat.openai.com/share/」

僕は、ChatGPTのハルシネーション、翻訳(言語)、推論、そして要約(統合)のような能力に非常に興味があります。ただ、みなさま一人一人の興味の範囲はそれぞれ異なると思いますので、ChatGPTの様々な能力について、それぞれの視点で探求することができると思います。

例えば、ChatGPTの「要約」能力と一般的に言われているものは、単に文章を短くするだけではなく、情報を構造的に統合する力だと僕は捉えています。このように、一般的な解釈を超えた、多くの能力がChatGPTには存在していると思っていて日常生活や仕事に使える能力がまだまだたくさんあると思っています。

もしみなさまがChatGPTの新たな使い方や能力が垣間見える会話ログを見つけたら、是非コメントにて教えてください。

※本記事は、ChatGPTとの会話通じて一部作成しています。

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