中国のモール出店に必要な10の準備まとめ

2017年7月10日 | 天野 利哉

中国への越境ECを検討中の方へ、中国ECの主流である大手ECモール出店に必要な準備を10項目にまとめました。

中国のECモール大手には、天猫(Tmall)や京東(JD)などがあります。中国のECモールに出店するには、準備すべきことが多数あります。その中でも特に大切な10の準備について解説します。

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中国越境ECモール出店に必要な10の準備まとめ

この記事の目次

■各ECモールへの契約書準備

– 出店にあたっての契約書

ECモール側との商業取引契約を結ぶために交わします。(物品の売買機会の提供、販売利益の送金など、ペナルティの課金など)

– ECモールによっては、英語・中国語で併記されており、法務・語学面の知識が必要

天猫(Tmal)・京東(JD)では英語・中国語の2種類を用意する必要があります。ECモールによっては中国語のみ受け付ける場合もあるため注意が必要です。

 

■ECモールへの販売許可証

– 各ECモールに授権証を提出する必要あり

授権証とは?

ECモールに対して「製品の販売を委託」したことを証明する書類です。授権証明書とも言います。出店企業は製品の開発元との関係性によって出店形態が異なります。

「旗艦店(=メーカー直営店)」:メーカーが直接運営するケース
「専売店(=販売代理店)」:販売代理店がメーカーの代わりに運用するケース
「専営店(=仕入れ販売店)」:販売代理店が複数のメーカーの商品を販売するケース

各形態ごとに必要書類が異なります。

– 出品している商品が本物であることの証明が必要

中国の消費者の志向は「低価格」から「本物」へシフトし、消費者全体に浸透しています。そのためECモール申請時に、「商標登録証のコピー」、「商標権利者が発行した独占授権書」、あるいは「仕入先(製造元)との取引契約書、取引領収書」など、正規の業者であることを示す書類が求められます。

■決済用の国際銀行口座を開設

– ECモールに付随する決済サービスがあるので、海外でも使える電子口座が必要

現地で通用する様々な決済手段(銀行振り込み・代金引き換え・クレジットカード・電子マネーなど)を使い、代金は一度ECモール側に入金されます。所定の手数料を差し引いた金額が口座にプールされ、出金を受けるためには指定の電子銀行口座を開設しておく必要があります。多くは日本の銀行口座を登録して開設できます。(代表例: アリペイ国際 など)

 

■ECモール店舗構築と商品ページの制作

– 商品素材の準備と店舗設計・商品ページやバナー制作

中国ではどんなクリエイティブが求められるの?

日本製品に対する信頼度はとても高いのですが、知名度の面で課題があります。消費者への浸透に時間を要する場合が多く、現地に競合する類似製品がある場合がほとんどです。そのため、商品の差別化・魅力が伝わりやすいクリエイティブが必須です。また定期的に行われるECモールのキャンペーンテーマに沿った内容で、追加コンテンツを用意することも重要です。

使っちゃいけない言葉などあるの?

後述する「広告法」に関する規定があり、違反すると最悪アカウント閉鎖処分を受ける場合もあります。

 

■翻訳作業

– ECモール店舗内で展開するテキスト全般

機械翻訳だけでは、ぎこちない言葉になってしまいます。なので、現地のマーケティングに精通した人材が必要になります。

広告法に基づく、ローカライズされたテキストの アレンジ

中国では、商品を紹介する時に使っていけない言葉があるのをご存知ですか?

使ってはいけない中国の翻訳表現

「最も優れた~」「一番の~」といった最上級を表現する単語は厳禁です。以前の中国市場において、明確な根拠をもたない「最上級」の表記が乱立、市場全体の信頼度が低迷する結果となり、これを受けて法規制が強化されています。違反した場合アカウントの停止などの厳しい措置が取られる場合もあるため、注意が必要です。

例えば、最上級の表現

最、最佳、最具、最爱、最赚、最优、最优秀、最好、最大、最大程度、最高、最高级、最高档、最奢侈、最低、最低级、最低价、最底、最便宜、时尚最低价、最流行、最受欢迎、最时尚、最聚拢、最符合、最舒适、最先、最先进、最先进科学、最先进加工工艺、最先享受、最后、最后一波、最新、最新科技、最新科学

参考元:新广告法违禁词汇总(2015.9.1)_图文_百度文库

 

■カスタマーサポート

– 中国では電話ではなくチャットが用いられる

チャットは、どんなツールを使うの?

ECモール内にチャット機能があり、店舗ページごとに用意されています。電話やメールで問い合わせするよりもこのチャット機能を使ってコミニケーションをすることが一般的になっています。

– 商品詳細など、即座に問い合わせができる環境が必要、返信スピードも評価につながる

原則的に中国ネイティブのスタッフ対応が必須となります。

どれくらいの頻度で問い合わせが来るの?

問い合わせ回数は多い時には、1日で何百回もの問い合わせがあります。
問い合わせ方法は基本的にチャットで行われます、必要に応じて電話対応をすることもあります。
対応時間は店舗によってことなりますが、朝の7時から夜の24時まで対応しているような店舗もあり、そのため常駐する専門のスタッフを複数名準備する必要があります。

 

■ECモール内外の広告運用

– ECモール内ではキャンペーン参加やリスティング、バナー広告、アフィリエイトまで対応可能

ECモール内の広告に関しては多種多様な広告メニューがありますが、基本的にはリスティングとバナー広告が主となります。ECモールによってはいくらの単価で出せばどれくらいの露出量になるかなども分かるようなシステムになっているので、展開する商品や、ジャンルによって広告戦略も異なります。

例えばTmallの場合、直通车(リスティング)钻石展位(バナー広告)淘宝客(アフィリエイト)などがある。

 

■商品の配送ルート選定

– 配送手段は、どんな方法があるの?

現地法人がある場合

メーカー様の自社倉庫から消費者に配送するか、ECモール運用会社の自社倉庫やパートナーの倉庫へ一度商品を送り、消費者へ配送するパターンがあります。

越境ECの場合

中国国内に現地法人が無い場合、大きく分けて2種類の方法があります。

(1)中国国内の保税倉庫に商品を一括して送り、注文が入る毎に保税区域から発送する。

日本国内からECモール指定の中国国内の保税区域にある保税倉庫(税関処理を保留し、中国国内で保管できる)へ、商品をコンテナで一括して送ります。メリットとして、コストを抑えた出荷ができるだけではなく、中国本土から発送でき、消費者に迅速に届けることができるため、評価レビューの向上、注文から商品が届くまでの間にキャンセルされるリスクの低減が見込めます。

(2)日本の自社倉庫から、小口発送する。

日本国内の自社倉庫から、注文が入る毎に個別に消費者まで発送します。これまでは主にEMSが用いられていましたが、関税の問題で消費者まで届かない事例が多発していました。現在は関税まで一括して対応してくれるサービス業者も充実してきております。

– 業者によってクオリティが異なるため、扱う商品によって選定する必要がある

どの業者を使うべきか?日本企業もあるの?現地のサービスで大丈夫?
配送に関しては主に以下の点から選定しなければなりません。

(1)価格 (2)リードタイム (3)輸送クオリティ(サービス内容)

価格やリードタイムも企業によって違い、サービス内容も異なります。ECモールによっては指定業者もございますが必ずしもそこを使わなければならいということではありません。どのサービスなら大丈夫?なのかではなく価格とサービスを比較検討するのが重要です。

 

■在庫連携

– 実店舗や日本国内ECサイトがある場合必要

在庫情報がそれぞれ独立している場合、正確なマーケティングを行うことが難しくなります。また作業も煩雑になるため、一括した管理が必要です。中国大手ECモールでもAPI連携は可能ですがシステムの知識と在庫配置の知識が必要で、国内の販売店・販売サイトとデータ連携を測るためにCSV連携など、運用体制の確認が必要です。

– 基幹システムを使用している場合

プラットフォーム側のシステムと連結するか、またはデータベース構築を検討する必要があります。

社内で利用している既存のシステムがCSVを取り込めるか、またはデータベースの構造がTmallなどの店舗運営と連携がとれるものか、運用チームの工数も考えた設計が必要になります。

 

■現地返品倉庫

– 現地倉庫が必要な場合

ECモールによって返品を認める規定が異なるが、日本まで商品を送り返してくれることはまずありません。そのため、ECモール出店時に現地に引き受け用倉庫を設けるよう求められます。現地法人が無い場合、中国本土にパートーナー会社を用意するか、または現地倉庫を持つ運用代行会社と契約する必要があります。

 

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