「webクリエイターに足りない本当のSEOスキル」を受講して

2013年5月20日 | 木村 祥一郎

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先日、「5/18(土)住太陽氏セミナー「Webクリエイターに足りない本当のSEOスキル」開催!(京都) | さぶみっと!JAPAN」こちらのセミナーが開催されました。

このセミナー自体はすでに岡山や大阪などでも開催され、大きな反響を呼んでいるものですので、詳細な内容については、すでに色々な人がうまくまとめられています。なので、今更という感じもしますが、自身のおさらい、勉強としていくつかポイントを整理してまとめておきたいと思います。

セミナーの流れにそったまとめではないので、セミナーを聞いてない人が読むと、背景を理解できず、誤解を招いてしまうところがあるかもしれません。あらかじめその点についてはお断りしておきたいと思います。

●自己解決できる/自己解決しようとしているお客さんを見つける

今後、WEB制作会社が取り込むこととして、個人的にすごく面白いなと思ったのが、

自分で解決しようと情報を探しているお客さん」を捕まえる、という考え方でした。

地方の中小零細制作会社は、サイト制作、デザイン、コーディングなどの「手間賃」で売上を立てているところが殆どだと思います。

そういう制作会社にとってみると、自己解決しようとしているお客さん、自ら作業をやるお客さんというのは、自身の「手間賃」の領域がなくなってしまうイメージがあるんじゃないでしょうか。なので、なかなかこういう考え方を持つのは難しいんじゃないかなと感じました。

しかし、住さんは、前提として、「手間賃」で稼いでいる領域はどんどん厳しくなっていくという潮流を見ているわけです。こういう領域は、ランサーズやクラウドワークス、あるいは自動化のテクノロジー等にどんどん置き換わっていく。単価も下落していく一方だと。

なので、「手間賃」ではないところで稼ぎを作り出していかなければならない。それは住さんの例でいけば、自身の経験や知識を武器に、「制作者」ではなく、「マーケター」というような立場に立ちコンサルティングとか相談とか、より付加価値の高い領域でお金を頂くということでした。

そして、この領域を狙うならば、自己解決をはかろうとするお客さんの方が「良いお客さん」ということになるわけです。

これはSEOの話にもそのまま繋がるのですが、SEOというサービス領域だけに限定して考えてみると、SEOに極めて重要な、所謂「良質なコンテンツ」を作るという領域では、作業の代行はほとんど無理なわけです。

手間賃をもらって、制作会社側でコンテンツを作ったところで、その制作会社はお客さんのビジネス分野のプロフェッショナルではありません。本当の意味での「良質なコンテンツ」など作れるわけがない。「良質なコンテンツ」を作れるのは、その分野に通じているお客さん自身であり、お客さん自身で作り出さなければ意味がない。
そうすると、SEO会社や、SEOコンサルタントは、お客さん自身にやってもらわなければならない。相談やコンサルティングは行うけれども、作業自体はお客さん自身が行わなければならない。
このような考え方に立つと、良質なお客さんというのは、なんでもかんでも丸投げしてくるようなお客さんではなく、基本、自己解決できる、自己解決しようとしているお客さんということになるわけです。

SEO以外の領域で考えても、「制作」という領域から、WEBを活用してネットで稼ぐとか、WEB活用をビジネス成果に繋げる、というようなところをサービスにしていこうと考えるならば、こういう視点は欠かせないものではないかと思うのです。
当たり前なのですが、ビジネスへの連携が太くなればなるほど、代行や作業で貢献できる領域は小さくなり、お客さん自身に関与してもらわなければならない領域は増えるからです。

だから、制作会社は、自分自身で、そういうお客さんを見つける、そういうお客さんを獲得していく努力をしなければならないわけです。
(「お客さんが理解してくれない」「わかってないお客ばかりだ」というような不満を言う制作会社があるけど、そもそもあなた達は、そういうお客さんを見つける努力をしてるのか、ということも住さんがおっしゃってたことで印象に残ったことの一つです)

また、さらに、自己解決できるお客さんは、何度も何度も検索を行うので、検索結果の上位にいるかどうかがあまり関係なくなるということもメリットとして上げられていました。そういうお客さんは検索結果を何ページも見て、色々な情報を探すし、また、繰り返し何度も検索するので、「リーチ」しやすいからです。

●WEB制作会社が提供すべきコンテンツとは?

WEB制作会社は、お客さんの視点に立っていないのではないか。お客さんが求めているものを理解していないのではないか、と住さんは指摘します。

住さんは、あえてかなり極端な言葉を選んで話されていたのだと思いますが、お客さんは、儲かるかどうかにしか興味や関心はない、のだと。しかし、ほとんどのウェブ制作会社は、どうすれば儲かるかと情報を公開していない。だからお客さんには見つけられないし、お客さんの目に制作会社が入ってこないのだと言うわけです。ここにギャップがあるわけです。

(ここで言う「儲かる」とは、単に売上や利益が上がるという意味ではなく、もっと広い意味で、その課題解決や問題解決が結果的にお客さんのビジネスの成果に繋がるという意味として捉えないといけません。たとえば、どうやったらコンバージョン率が上がるのか、も「儲かるかどうか」の問題ですが、どうやったら無駄な問い合わせが減るのか、も「儲かるかどうか」の問題です。結局、ビジネス活動の延長でWEBを用いている以上、そこでの課題の大部分は、直接的であろうが間接的であろうが「儲かるかどうか」というところに繋がっているというわけです。)

自己解決しようとしているお客さんは、何かしらの課題を解決しようと検索をしている。その検索への回答を制作会社は公開していない。
制作会社が公開しているのは、ほとんどが自社が何ができるか、どんなことをしてきたか、みたいな「当社は~」と自社を主語とするようなコンテンツばかり。だから、制作会社は、儲けたいと考えているお客さんからは見向きもされないのだ、というわけです。

以前、ペンシルさんのセミナーで覚田社長が、制作会社のほとんどが実績を「事例紹介」として、手がけたページのデザインやどんなシステムを構築したかというような情報とともに載せているだけだ、ということを仰っていたのを思い出しました。

そんな風に事例を載せてるだけだから、お客さんも、こういうデザインのサイトが作りたい、こういうシステムが作りたい、というお客さんしか来ない。ペンシルの事例紹介は違う。ペンシルでは、お客さんがどんな成功したのか、何%売上が伸びたのか、何がどれぐらい改善されたのか、そういう情報をメインにして、どんなサイトデザインを作ったとか、システムをどうしたみたいなことはほとんど語らない。
だから、ペンシルに来る相談は、売上を伸ばしたい、コンバージョン率を改善したいというような、ビジネス上の悩みや課題を解決して欲しいお客さんからしか来ないのだ、というような話です。

こんなデザインのサイトを作って欲しい、こんなシステムを作って欲しいというオーダーは、住さんのお話で言えば、「手間賃」での仕事につながるお客さんです。一方、ビジネス上の悩みや課題で相談してくるお客さんというのは、そういう手間賃の領域ではない、コンサルティングフィー等の付加価値の高い領域の稼ぎにつながるお客さんです。

実際、ペンシルさんは、WEB制作会社からWEBコンサルティング会社へとモデルチェンジされ、ここ数年ずっと業績を伸ばされています。「制作」ではなく、付加価値の高い「コンサルティング」領域で、年々その単価を上げられているのです。

さて、話を戻すと、制作会社はまず、どうやれば儲かるのか、どうすればお客さんの課題が解決するのか、そういう方法や課題解決をコンテンツとして公開するべきだと、住さんは言います。自社が主語ではなく、お客さんを主語にしたコンテンツを増やすべきだと提案しています。「お客さんの●●●という課題を解決するためには~」とか「●●●という状況におかれているお客さまは・・・」というように、お客さんの課題や悩みを主語にするのです。
jQueryがどうしたやHTML5がどうだこうだというような技術的な話ではなく、もっと儲けたいと考えているお客さんがどうやったら儲かるかという方法や考え方を公開したほうがいいというわけです。

(補足:技術的な話題などが意味をなすのは、エンドユーザーではなく、自社が大手制作会社や代理店の下請として生きていくことを選んでいるなら有効だということも仰ってました。どこまで行っても、自身がお客さんにしたい会社がどんな会社で、誰なのか、どんな課題を抱えてるのかという相手側の視点から考える必要があります。住さん自身の話には出てませんでしたが、たとえば、優秀な技術者をリクルーティングしたいというような目的がある場合には、先進的な技術や、自社の技術力のアピールに繋がるコンテンツなども有効なのではないかと思います。)

自己解決できるお客さんに「やり方」や「方法」を公開したら、全部自分でやってしまって、それこそ一文にもならないんではないか、なんて疑問も少しかすめたわけですが、そこでも住さんは持論を展開されていました。

まず、そういう「やり方」や「方法」を示すことは、そのコンテンツの提供者の信頼性を高めることに繋がります。そのコンテンツでお客さんが満足すればするほど、その分野のプロフェッショナルだという認識が強まるわけです。

これはすごく重要で、いくら自分は凄い、自分は出来るとアピールしても、言うだけなら誰でもできます。きちんと自分の経験や知識、ノウハウをコンテンツとして公開することで、そこに信頼性が生まれるわけです。

そして、お客さんには、それぞれ自社に個別の特異な課題や悩みがあります。同じ業界、業種、サービスを展開してても、会社によって規模も違えば、従業員も異なる、持ってる資産も違う。似てるようで違う。なのでお客さんの課題には必ず「具体的に」「個別」の課題や悩みというのが存在する。こういった個別の悩みや課題は、インターネットに公開されているいわば汎用的、抽象的なノウハウや知識では解決が難しい。

だから、その分野のオーソリティと認められ、信頼できそうな人や会社に「個別」の相談をする。この個別の悩みや課題解決の相談に乗るところで、「手間賃」ではないお金を取るようにしていく、というのがWEB制作会社の今後の生き残り方の一つなんではないか、という提案なわけです。

当社もWEBのビジネス活用やマーケティング支援ということを標榜するWEB制作会社の一つですが、この考え方はすごく参考になりました。

●突出した魅力をコンテンツに加えること

セミナーの中で、SEOで重要なのが、検索側=お客さん側に立った、お客さんの文脈に立ったコンテンツを作ることだと、住さんは繰り返し訴えていました。

どんなお客さんが、どんな課題や悩みをもって、どんなキーワードで検索をするのか、その時に、どんな「回答」が差し出されればお客さんが満足するのか。それを徹底して考え、コンテンツにしていくこと。SEOの基本は、そこだと言うわけです。
非常に基本的なことですが、これはものすごく重要なことで、やはりこういうセミナーで何度も繰り返し聞くことで、改めてその意識を強く持たないといけないなと感じました。

そして、この時、そのコンテンツに必要なのは、「突出した魅力」だと、住さんは言います。

「突出した魅力」をコンテンツに付与することで、そのコンテンツに触れたお客さんは、それを他の人に紹介、参照、引用、言及したくなり、それが新たなリンクという資産の獲得に繋がったり、新たな来訪者を生み出します。コンテンツを作っていく時に「突出した魅力」があるかないかは、非常に大きな差になります。

さて、この「突出した魅力」というもの。この言葉だけでイメージすると、たとえば、物凄く面白い、ユニーク、笑えるなんて事を考えてしまったり、とにかく表現方法やインタラクションが素晴らしい、デザインが素晴らしく凝ってる、みたいなことを考えてしまいがちではないでしょうか。

そんな風に考えてしまうと、それは物凄くハードルが高いものになってしまいます。

ここでも住さんは、「突出した魅力」というものがどういうものかということに対して非常に面白く参考になる意見を持たれています。

住さん自身が「突出した魅力」として考えているもの、意識していること、それは「正確性」「丁寧さ」だと。

これは実は、私は目からウロコでした。コンテンツマーケティングだ、インバウンドマーケティングだという時に、言い方は違えど、必ず「突出した魅力」と同じような意味のキーワードが掲げられ、それをコンテンツに付与しないさいとは提唱されてるわけですが、それが何なのかという答えはほとんど見たことがなかったわけです。世の中にまだないコンテンツ、極秘の情報みたいに考えてしまえば、そこで大抵が思考停止に陥ってしまって、それができないからコンテンツが凡庸なものにしかならず、それじゃあまり意味がないんじゃないかと考えてしまいそうです。

それを住さんは、「正確さ」「丁寧さ」というキーワードを上げ、こういう要素も「突出した魅力」になりえるのだと示されたわけです。

確かに、住さん自身のサイト(SEO 検索エンジン最適化 – 自分で施策するための最新SEO情報サイト)は、まさにこの「正確さ」「丁寧さ」の徹底において、「突出した魅力」をコンテンツに付与している事例と言えると思います。

SEOに関しての情報は、色々なサイトにすでに溢れかえってて、1つ1つに新鮮味があるかというと、Googleの最新のアルゴリズムがどうだこうだ、ということをいち早く取り上げるとか、そういうこと以外では、「突出した魅力」たりえる情報、コンテンツはほとんどないのかもしれません。しかし、他のどこよりも「丁寧」に、そして「正確」に、きちんとコンテンツを作ることで、住さんのサイトは、他のSEOのコンテンツサイトより、頭一つ、二つ飛び抜けたものになっているわけです。

「正確さ」や「丁寧さ」が良いのは、他と比較しやすいということもあります。面白さや美しさ、奇抜さみたいなものは、かなり主観的な要素が強く、他との比較が難しいけれども、「正確」かどうか「丁寧」かどうかは、他の同じコンテンツを見た時には、客観期に比較して優越がつきやすい、わかりやすいわけです。

(セミナーでは、仰っていませんでしたが、「正確さ」や「丁寧さ」に加えて、「詳しさ(詳細)」や「網羅性」みたいなものも「突出した魅力」とされているものに入るのではないかなぁと思いました。住さん自身のサイトのコンテンツを見ていると、その辺をすごく意識されているように思えます。)

●セミナーを終えて

約2時間半のセミナーでしたが、非常に面白く、いっときも飽きることなく通して聞けたセミナーでした。正直、もう少し長く時間をとっても良かったなと少し反省しています。

それほど、中味の詰まった素晴らしいセミナーでした。
おそらく参加された多くの制作会社の皆さんにとっても色々なヒントが得られた有意義なセミナーだったのではないかと思います。

機会があれば、このような形で制作会社さんを支援していくような、制作会社にとって何らかのレベルアップやスキルアップにつながっていくようなセミナーは、積極的に開催していきたいと考えていますので、今後ともよろしくお願いします。(住さん、ありがとうございました!)

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テクノロジーとかマーケティングとか文学や哲学が好きです。 個人のブログはこちら( papativa.jp )。

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