成功するECサイトの投資モデルとは?

2009年10月1日 | 広報・PR・イベント運営担当

2009年10月01日

成功するECサイトの投資モデルとは?

田中 亨
プロデューサー

2012年には10兆円市場に! 急成長するEC市場

野村総合研究所の予測によると、消費者向けEC市場は2008年度で58,814億円、2012年度で103,234億円と、4年間で2倍程度に成長すると予想されております。

この市場の成長の影響もあってか、Webサイトの制作案件においてもECサイトの制作に関する相談が増えてきました。地方のお店のEC化から、大手企業のEC参入まで、その種類は様々です。旧来の販売チャネルの冷え込みに不景気が拍車をかけ、新しい販売チャネルとしてのECは企業にとって重要なマーケティング課題となりつつあるように感じられます。

しかし、ECサイトは立ち上げれば良い、というものではありません。
これまで数多くのECサイトの構築に携わってきた中で、順調に運営を継続していくサイトもあれば、残念ながら閉鎖をしてしまうサイトも見てきました。

ここにはいったいどのような差があるのでしょうか?
その差のひとつに「投資モデル」のパターンの違いが考えられます。

一か八かの「初期投資偏重型モデル」

サイト構築時は、お店のコンセプト設計やシステム構築、サイトデザイン、フルフィルメントの整備、事務局の設営など様々な物事を決め、制作・体制作りを行っていく必要があります。
理想のお店・体制に近づけようとすればするほど、構築期間は長期化し、初期コストも増幅していきます。
また、スタートダッシュを期待するがために初期のプロモーション予算を大きく組んで、ウェブ広告のみならず、他媒体を活用したプローモーションを実施されるケースも見受けられます。

しかし、

 初期のプロモーションが予測から大きく外れてしまったら・・・
 市場ニーズに対して、商品が受け入れられなかったら・・・

一体どうなってしまうでしょうか?

当初の売上予測は一気に崩れてしまい、いきなりジリ貧の状態になってしまいます。
このジリ貧を解消するために、また新たなプロモーション施策を打ち、さらに追い込まれていってしまう、、、運営コストもかさみ、収益はどんどん悪化。
そんなシナリオが待ち受けているかもしれません。

ECサイトはオープン後にコストがかかる!

ECサイトは作ったら終わりというものでなく、むしろオープン後により多くコストが必要となります。

 ・集客、広告プロモーション
 ・商品の仕入れ
 ・受注管理
 ・商品配送
 ・決済サービス利用
 ・コールセンター運営
 ・顧客フォローアップ
 ・アクセス分析
 ・サイトの運営
 ・サイトの改善、機能追加
 ・サーバー管理
 ・システム保守
 ・DM送付

これらのコストをカバーするためには、コストを適正に配分していくと同時に「予測できる安定した売上」が必要となります。

ECサイトの売上を伸ばしていく上で、もっとも重要なのが「継続投資」をすることです。新規顧客獲得のためのプロモーションと、優良顧客の育成(リピート化)とのバランスを考えながら、継続的に投資していく事が成功の鍵となります。

これらを実現していくためにはどのようにすればよいでしょうか。

初期投資を抑えた「成長連動型モデル」で成功するECサイトを作る!

成功するECサイトを作り上げるためには、その投資モデルを初期にじっくりと検討しなければなりません。見込み顧客の存在が具体的に見えない状態で大々的なプロモーションを行っても、空振りをしてしまうのが大半です。

成長連動型モデルのECサイトを作るためには、以下の3つのポイントをまず抑える必要があります。

1.初期構築コストを抑える

ECサイト構築においては、販売促進・運営効率化などの面において様々なカスタマイズ要件があります。また、お店としての見栄えを良くするためにデザインをより個性的なものにするケースも見受けられます。
しかし、こういった開発は欲を出せばきりが無く、投資がどんどん膨らみ、後々の運営コストに支障をきたします。

初期構築において最適な投資を行うために優先すべきポイントは

 ・EC基本パッケージは低コストなものを採用する
 ・初期投資は効率化よりも「販売促進」に重点を置く

という点が重要となります。

EC基本パッケージは、ASPやオープンソースなど様々な選択肢があります。
ASPは低コストながら豊富な機能を装備しているので、小規模サイトには非常にメリットの高いものといえます。
「成長連動」という点を重視したり、あるいは大型のECサイト構築を検討する場合は、自由度の高いオープンソースが適切といえるでしょう。

2.見込み客の集客・獲得手段をじっくり検討する

サイトを構築したら、次は集客と売上の獲得です。

「インターネットを活用してまったく新規の顧客を獲得していきたい!」

こういった要望をいただくことが少なくありません。しかし、ゼロから顧客を集めていくことは容易ではありません。まずは、売上の予測できる見込み顧客からアプローチしていくことが必要です。
そのために、既存の販売チャネルなどの「既存母体」がある場合は、まずそこからアプローチからはじめることがもっとも近道です。

キャンペーン展開や、SEO対策、多店舗展開の実施など、集客コストを抑えた形で実施できる施策はできる限り手を打つことが必要でしょう。

また、サイトに訪れた訪問者の購入率(コンバージョン)を向上させるためにアクセスログを分析し、随時対策を施していくことも、売上を向上させるにおいて重要な施策となります。

3.リピート育成のための分析と施策を行う

新規ユーザーの獲得コストは、10年前に比べて約10倍といわれています。
新規獲得のコストがかかる現在において、売上を安定化させるために最も重要なポイントは、リピーターをいかに育てるかということになります。

リピーターを育てるには、まず顧客分析と分類を行うことが第一です。
初回購入のみの顧客、2回目の購入に進んだ顧客、継続的に購入している顧客、長期間購入をしていない顧客。
こういった顧客のステージごとの分類を行い、それぞれに対して適切なフォローアップを行っていくことが重要です。

また、これらのフォローアップは継続的/長期的におこなっていくことが必要です。新規顧客の獲得コストが大きくかかる状況においては、たとえ長期間購入のない顧客がいたとしても、その顧客に対するアプローチを行うほうがコスト効率が良くなるからです。

以上の3つのポイントを押さえ、売上に連動した形で投資をおこなっていくことが、ECサイトを成功させていく投資モデルです。

しかしながら、このモデルに気づかずに初期投資を増幅させようとしたり、あるいはECへの参入自体を躊躇してしまうケースが数多く見られます。
まずは、このモデルをもとにしてじっくり計画を立て、EC参入を行っていくことをお勧めいたします。

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