限界CPOという概念は知っていますか? (2)

2009年4月24日 | 広報・PR・イベント運営担当

限界CPOという概念は知っていますか? (2)

前回のコラムで、CPOについておさらいをしてみました。

CPOは、お客様がある商品について何回リピートしてもらえばよいかを考える指標でした。これは新商品を出す場合には有効な指標となりますが、すでに売れはじめており、お客様が気に入ってリピートし始めた商品についてはあまり意味がありません。

なぜなら新商品の販売戦略は、初回プロモーションの投入コストをいかに回収するかという戦略で考えるためです。

すでに売れ始めている商品には、逆に今後その商品には、いくらプロモーションコストをかけることができるかという考え方が必要なのです。

それを理解する考え方が、「限界CPO」という概念です。

この限界CPOは、通信販売コンサルタントの四方事務所の白川博司さんが数々の通信販売コンサルティングを行っていく中で見出した概念です。
四方事務所サイトへ

限界CPOとは、その名の通りある商品の販売にあたって、1人顧客獲得にかけることができる「限界」コストのことです。

限界CPOは以下の公式で算出することができます。

(1)新規客のうち、リピート客への転換率(%)
(2)リピート客の平均リピート年数、または回数
(3)リピート客の年間平均購入金額、または1回あたりの単価
(4)商品粗利率

限界CPO = (1)×(2)×(3)×(4)×50%※1

※1(1)~(4)を掛けただけだと、経費や人件費が一切含まれてないのでその費用を引く意味で全体を50%ととして計算。

例えば、
(1)新規購入者のうち、30%はリピーターになってくれるとします。
(2)リピーターは、1年に3回程度購入してくれて、3年間継続して購入してくれます。3回×3年=9回
(3)平均 3,000円とします。
(4)EC平均の50%として算出します。(0.3×9×3,000×0.5)×50%= 2025円

つまり、この企業は、この数値を維持できるなら、1人顧客獲得に2025円のコストを投入することが可能ということになります。

健康食品などのリピート系商材は、(1)の比率が高く、(2)も5年や10年で十回、二十回というリピートを前提とし、且つ顧客平均単価が高めになることから、限界CPOも高く設定することができるわけです。

さらに、限界CPOが有効な指標となるのは、上記の(1)リピート率、(2)リピート回数といった指標が改善されると、限界CPOが大きくなり、新規客獲得に投入できるコストがさらに大きくなるということです。

つまりリピーター育成というのは、新規客獲得力強化にもつながっていることが理解できます。

リピーターを育成していくというのは、実は新規顧客獲得力を強化して行くことになりしいては競争優位性にもなる。そして、さらに多くの新規客を獲得できればリピーターも増え…という良いスパイラルが生まれていくのです。

健康食品系のリピート系商材で成功している企業というのは、この限界CPOの良いスパイラルが生まれているということになるわけです。

次回は、限界CPOを考えなければいけない理由となります。

次回へ。

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