SEO/SEM
2005年03月24日
SEOのトレンドを追う(3) 「サテライトサイト - 事例編」
田中 亮
イー三六五株式会社
http://www.submit.ne.jp/
前回では、SEOに特化したサイト「サテライトサイト」の構築が有効であることをお伝えしました。今回は「サテライトサイト」の実例について述べていきます。
サテライトサイトのパターン
サテライトサイトにはいくつかパターンがあり、代表的なものとして以下の3つが挙げられます。
(1)コミュニティサイト
(2)用語集サイト
(3)比較サイト
より細分化されたコンテンツでユーザーを集め、そのユーザーを対象にプロモーションを展開するコミュニティサイト。
ユーザーが求める情報を提供し、いわゆる“ビッグワード”以外のワードを検索時に使用するユーザーをも幅広く獲得するための用語集サイト。
比較・検討しているユーザーに対してメリット・デメリット双方を情報として提供し信頼感やユーザーのモチベーションを高める比較サイト。
これらのサイトの共通点としてblogとの相性の良さがあります。更新性の高さや、blogユーザー増加に伴いクチコミメディアの影響力が拡大したこともあり、blogを使ったサイト設計は更にニーズが高まっています。
本体サイトが持つ一次情報をいかに二次情報で補うかが、今後のウェブサイトの課題です。そして本体サイト及びリアルにおけるコンバージョンを左右する存在として、今回ご紹介するいくつかの事例のようなサイトが活用されているのです。
コミュニティサイト
企業がビジネス・マーケティング目的で運営するコミュニティサイトが昨年あたりから目に付きます。これらのコミュニティサイトは大まかにSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)寄りとblog寄りの2種類に分類できます。
SNS寄りなコミュニティサイトとして、はてなが提供する「bk1はてな」や「TSUTAYAon line はてな」などが代表的です。ユーザー同士のやり取りの中で蓄積される情報は、はてなだけでなくbk1のサイトで書籍情報を検索した場合にも関連情報として参照され、よりユーザーの求める情報を提供しやすいシステムになっています。
・bk1はてな
http://bk1.hatena.ne.jp/
・TSUTAYA online はてな
http://tsutaya.hatena.ne.jp/
ブログ寄りのコミュニティサイトとしては、百貨店の三越が運営する「三越コミュニティサロン」や相模鉄道が運営する「相鉄style」が挙げられます。これらはblogツールを使用することにより、ユーザーがライターとなって記事を投稿するスタイルのコミュニティサイトです。運営側の更新負荷軽減だけでなく、それぞれの記事へのトラックバックによる被リンクなども期待できます。
・三越コミュニティサロン
http://mcs.mitsukoshi.co.jp/weblog/PortalServlet
・相鉄style
http://sotetsu.net/
ユーザー参加型のサイトにblogを活用するケースはキャンペーンサイトなどでも見られます。Blogサービス「Seesaaブログ」を提供しているシーサーのトラックバックで応募する懸賞専門サイト「Seesaaプレゼント」や、アリエールの「困ったさんコンテスト」などはトラックバックで参加するタイプのキャンペーンとして注目されました。
極端にいうと、本体サイトではないという意味ではキャンペーンサイトなども全てサテライトサイトと呼ぶことができます。本体以外のサイトでいかにトラフィックを集めるかという点において、コミュニティサイトは同じ嗜好のユーザーを最も集めやすい例でしょう。
・Seesaa プレゼント
http://present.seesaa.net/
・アリエール 困ったさんコンテスト
http://komatta3.jp/
用語集サイト
・不動産用語集 賃貸情報アパマンショップ
http://www.apamanshop.com/oheya/yogo.html
このサイトは株式会社アパマンショップネットワークが提供する不動産用語集サイトです。言うまでもなく検索エンジンでユーザーが使用すると想定されるワードを無尽蔵にフォローし、ランディングページとして表示するためのサイトなのですが、こういったサイトの有効性は最近注目の高まっている「long tail」との関係が深いでしょう。
全体の20%の商品が売上の80%を生むという、いわゆる「パレートの法則」がオンラインのマーケティングにおいては崩壊しつつあります。つまり、売れ筋ド真ん中の商品ではなく、しっぽの部分のニッチな商品(=long tail)を充実させることが全体の売上を左右するという考え方です。
これはSEOにおいても同じことで、検索ニーズの高いワードだけに対策するのではなく、個々のニーズは低いワードを幅広くフォローするほうが、得てして費用対効果が高いことも考えられるのです。
例えば弊社サイト「さぶみっと!JAPAN」の2005年2月のアクセスログによると、検索回数1位のワード「さぶみっと」が全体の11.7%、上位20%のワードで全体の41.7%のアクセスを稼ぎ出しています。しかし、残りの80%のワード群が全体の58.3%のアクセスを稼いでいるのです。
競合の多いビッグワード一つだけに特化するよりも、他社が目もくれないワードを片っ端から押さえることでより効率的にアクセスを稼ぐスタンスが「long tail」対策です。用語集サイトの目的は本体サイトではフォローできないワードへの対策であり、これこそまさに「long tail」をつかむためのサイトといえます。
比較サイト
比較サイトとして代表的な「価格.com」は、すでに単なる価格比較サイトの域を超えた巨大サイトと化しています。もはや商品サイトのクオリティよりも比較サイトのユーザーレビューのほうが影響力を持ちつつあるといっても過言ではないでしょう。
特にキャッシング関連の比較サイトの数には驚かされます。「キャッシング」と検索した場合、上位20位のうち実に16件が比較サイトという状況です。検索エンジンユーザーの80%が2ページ目までしか見ないと言われる現在では、比較サイトで紹介されていなければユーザーの目に触れることすらないともいえます。
比較サイトの場合もコミュニティ同様にコンテンツはユーザーが作ることが前提とされています。あるユーザーのレビューが別のユーザーに対して働きかけ、購入へのモチベーションを高めるという仕組みには、販売元に対しては持ち得ない信頼感が存在します。
実際に購入するというアクションを起こしたユーザーが、その情報を別のユーザーとシェアする。このシェアの部分を担うのが比較サイトであり、blogによるクチコミなのです。個人サイトの持つ影響力の大きさは、Amazonにおけるアフィリエイトによる売上の増加率にも現れています。既に100万人を超えるといわれるblogユーザーによって販促の場は企業の手を離れ、ユーザー同士のコミュニケーションの場へと移りつつあるのです。

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